Mad Butcher
- Destruction - Mad Butcher
Mad Butcher/Eternal Devestation
- アーティスト: Destruction
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2011/11/29
- メディア: CD
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はてな匿名ダイアリーでこんなエントリが注目を集めていまして。
http://anond.hatelabo.jp/20120805173411
彼氏の職業が屠殺業だった
実質合コンの飲み会で知り合って付き合いだし、最初は卸売業に従事しているといってたけど、
食肉加工業、平たく言うと屠殺業だということを知った。
要するに豚を殺す仕事をしている人だった。
詳しい屠殺の方法についても教えてもらった。
職業に対して偏見を持つつもりはないし立派な仕事、必要な仕事だとは思うけど、
私を触ったこの手で豚を殺していた・・と思うと、なんだか気持ち悪くてもうこの人には抱かれたくない、と思うようになった。
別にそういう職業に従事している人たちが同和だ部落だということから嫌だというわけじゃない。
この手であんなおぞましい行為をしている、殺生をしている、と思うと、なんかどうしても気持ち悪いのだ。
そうはいっても私だって豚を食べてる。今日だって焼肉食べた。
そのお肉を作っているのは彼らだ。
彼らがいないと私たちは困ってしまう。
身勝手な理屈だとはわかっている。
必要としているくせに、お世話になっているくせに、いざ自分の恋人や家族がそういう仕事をするとなると嫌だ、と思ってしまう。
それでも生理的に湧き起こる嫌悪感。どうやってこの感情を処理すればいいのだろう。
彼の職業を理由に別れるのは人として間違っていることなのだろうか。
全体から釣り臭さが漂う文章であり、「生理的嫌悪感」にかこつけた職業差別のための文章ではないかと思われます。おそらく書き手は男性であり、「同和だ部落だということから嫌だというわけじゃない」とわざわざ入れるあたりから、その界隈への悪意を込めた文章であろうことが想像されます。
この文章には続きもあります。
http://anond.hatelabo.jp/20120806205751
許せるものと許せないものの間の線引きは確実にあるがその論理的な理由はわからない
http://anond.hatelabo.jp/20120806013304
結論を言うと彼とは職業を理解できないということでもう別れた。だからこうして書いてる。
とあるSNSのオフ会で知り合ったのでお見合いとかみたいに身分証明があるわけでもないから、
正確な職業はわからなかったんですね。
豚の頚動脈を掻き切って血抜きして失血死させるそうです。
どうやるのか気になるならネットの動画でも見てみて、それが真実だから、って言われて見た。
とてもじゃないけど最後まで見ていられなかった。
豚が悲痛な悲鳴をあげていて、数人がかりでそれを押さえ込んで首にナイフで切れ込みを入れて血を絞り取っていた。
それでもまだ豚は生きている。
彼に触られそうになるたびその映像がよみがえってきて、鳥肌が立った。
こんなんじゃセックスするなんてとても無理だ。
親の実家でも卵をとるための鶏を飼っていたけど自分たちで〆て殺したりはしてない、と親から聞かされていた。実際見た覚えはない。
魚捌いて殺すのは抵抗ない。自分でやるのは嫌だけど、たとえば結婚して姑から料理の腕前を見せてみなさいといわれたらやると思うし、すぐ慣れると思う。
鶏〆て殺すのは・・・それ「だけ」を仕事にしてたら多分受け入れられないけど、それ「も」仕事のひとつにしている、ぐらいなら許容できる。
シロアリ駆除業者は問題ないけど、同じ駆除業者でも、ネズミやハクビシンやいたちを素手で殺している人とは付き合えない。
実際追い詰めたネズミを槍で突き殺したり、火であぶり殺したり、水攻めして殺したりする業者もいるらしい。無理。気持ち悪い。
ゴキブリや蚊やハエや蜘蛛を叩き潰したり殺虫剤やゴキブリほいほいで殺すのは全く問題ないし自分もじゃんじゃん殺す。
民家に出没したクマを人間を守るために銃殺する猟友会は許容できるけど、鹿やウサギや狐や鳥をスポーツ感覚で狩猟するハンターはだめ。
魚を釣るスポーツフィッシングには抵抗ない。
牛殺す人と付き合うのも無理。イルカとか鯨狩ってる人も無理だ。
犬猫殺しはたとえ食べるためでももう無理。その人の顔見ただけで吐くと思う。
原発作業員や葬儀屋や医療従事者は問題ない。
許せるものと許せないものの間にラインはある。でもどんな根拠でそのラインが引かれているのか、わからない。
動物実験は、医療の発展というという大義名分の下単なる虐待行為も多々行われているのだろうけど、
基本的に人間や動物の病気や怪我を治療するのに役立つ研究ならば、行為者を忌避する感情は起こらない。
なんでこう思うのかわからない。でも抗えない。
仮にこの書き込みが事実に基づくものだったとしても、他人の職業を「許せる」とか「許せない」とか勝手に決めている時点でもう人間としてアウトです。書いている人間の差別意識が、こんなところからも透けて見えますね。
ネット上で豚を殺す動画を見た、とありますが、YouTubeで「豚 屠殺」で検索すると「豚さんの最後」と題した動画がヒットします。ショッキングなのでリンクは貼りませんが、アップロード者による動画説明では、
最初は手荒に扱われても状況を理解していないようで、笑いの混じったような啼き声で呑気な豚さんでしたが、3:14を過ぎたあたりで生命の危険を察したようで、それが悲痛な啼き声へと変わりました。そして、ほどなく喉を切り裂かれ、苦しんだ挙句に絶命しました。
豚は知能が高く、人間のように意志をはっきり示し、喜怒哀楽もうまく表現できる動物です。人間のために肉とされる立場の動物が、どのように感じながら食肉処理されるかを雄弁に語る存在と言えるでしょう。
考えなければならないのは・・・
この豚さんには何の罪があって、このような苦しみに遭う必要があるでしょうか?
我々人間も少しは豚の立場になって、考える必要があるのではないでしょうか?
このような苦しみを与えることって、「豚だから」という理由で
許されていいものでしょうか?
そして、肉を食べる立場にあることを考えると、このような屠殺方法が一刻とも早く撲滅されることを願わなければならないでしょう。
などと書かれています。冷静を装っていますが屠畜業者への悪意がにじみ出る文章です。これは憶測にすぎませんが、くだんの増田エントリを書いたのは「豚さんの最後」動画のアップロード者なのではないでしょうか? 別人だとしても、同じような思想の持ち主だとは思われます。
この動画以外にも、YouTubeには過激な菜食主義者による「肉食反対」プロパガンダ動画がいくつも上がっています。もちろん彼らにも思想の自由はありますが、特定の職業に従事する人を貶めるのは明確なヘイトスピーチです。
- 作者: 佐川光晴
- 出版社/メーカー: 解放出版社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
- 作者: 内澤旬子
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豚を殺す動画の中にも、面白いものもありますので紹介しておきます。
1976年に東映で公開された、山口和彦監督の空手モンド映画『世界最強の格闘技・殺人空手』について、くわしくは以前に書いたこちらのエントリを参照のこと。
ここを見ている人の中には、「菜食主義者」といえばキラー・コワルスキーを思い浮かべる人も多いかと思われます。
- 作者: 梶原一騎,原田久仁信
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- 作者: アブドーラザブッチャー,Abdullah The Butcher
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- メディア: 単行本
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あと、「牛殺す人と付き合うのも無理」とも書いてありますが、当然あの人への悪口と受け取りますね。
- 作者: 大山倍達
- 出版社/メーカー: 角川書店
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