ホワイト・ジャズ

大相撲名古屋場所は、NHK生中継見合わせという異常事態の中でも強行開催されるそうですが、力士のみんながみんな野球賭博にかかわっていたはずはもちろんなく、中にはこういう力士もいます。

松坂 南写真集 luxury

松坂 南写真集 luxury

http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20100709-651172.html

高見盛「暗黒小説の世界だけかと…」

 野球賭博問題とは無縁の人気力士・高見盛(34=東関)は、不祥事に惑わされずに11日に始まる大相撲名古屋場所に臨む。8日、愛知・稲沢市での朝げいこ後「今は、相撲を取るしかない。中止を覚悟していたけど、やった方がいい。土俵に上がったらぶつかるだけ」と意気込んだ。

 「野球賭博なんて、暗黒小説の世界だけだと思った」と言うほど裏社会とは縁がない。無駄遣いもしない。「もともと、貧乏性。ブランド品なども興味がない。(お金を使うのは)若い衆にメシを食わせるくらい」。関取らしく、正しく金を使って部屋を盛り上げようとしている。

 NHKの生中継はなくなり、CM出演している永谷園は懸賞金を今場所は取りやめた。「今の相撲界にとっての、罪と罰みたいなもの。(謹慎する力士がいるが)誰がいなくなろうが、思い切りぶつかるだけ」。暗い話題が多い中で、高見盛は異彩を放っている。

お相撲さんの口から「暗黒小説」なんて言葉が出てくると、意外性にハッとさせられますね。「暗黒小説って何?」みたいな反応をしている人もまま見られます。
読書家のお相撲さんって珍しいと思いますが、「暗黒小説」という単語を操る人はとくに少ないでしょうね。高見盛の意外な側面が明らかになりました。


野球賭博が出てくる暗黒小説というと、馳星周の『夜光虫』でしょうね。

夜光虫 (角川文庫)

夜光虫 (角川文庫)

この小説を読んでいる高見盛を想像すると、なんとなく幸せな気分になってきます。


野球賭博で借金がかさみ、にっちもさっちも行かなくなった力士が、ビールビン一本で事務所にカチコミを掛ける小説なんか面白いかもしれませんね。「お前らに払う”お米”(角界の隠語でお金のこと)はないでゴンス。みんなまとめてかわいがってやるでゴンス!」とかいって。突っ張りで顔面粉砕、蹴たぐりで倒したヤクザの腹に四股を踏んで内臓破裂、命乞いする組長の脳天にビールビン! と大活躍するの。銃で撃たれても脂肪と筋肉の隙間を弾丸が流れていって死なないの。
んで、やくざを皆殺しにして逃亡するんだけど、なにしろお相撲さんだから目立ってしかたないの。血みどろの浴衣に雪駄ばきで、おまけにそんな状態でも赤ん坊を連れた母親から「抱いてやってください」と言われちゃうのね。
そんなこんなで逃亡していった琴○○関ですが、ラストはかばってくれるはずだった親方に裏切られて、相撲甚句が流れる中で凄惨なかわいがりを受けて絶命するの。こ、これは読みたい。