限りなき戦い
そうそう。年末に『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』と『パブリック・エネミーズ』を観たのを忘れるところだった。
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『アンヴィル!』は、映画というよりテレビのドキュメンタリー番組みたいな、こじんまりした小品という印象を受けました。時間も短いし。でもそこは主人公たちのスケール感によく合っていて、心地よい感触でしたね。
ヨーロッパツアーに出て、フェスティヴァルで会った大物ミュージシャンたち(でもせいぜいカーマイン・アピスとかトミー・アルドリッジとかなんだよなぁ)に嬉々として挨拶にいくあたりは、リップスたちの素朴な人柄と、不遇な現実を忘れたい悲しさを感じさせられました。お姉さんから資金援助を受けて、有名プロデューサーのクリス・タンガリーディスのスタジオに行き、ケンカしながらもなんとかアルバムを作るあたりも、みんな善意と愛情に満ちていて、観ていてうれしくなりました。
あの人たちに比べたら、マイケル・シェンカーなんてホント人間のクズですよ!
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その後、なんとか復帰して活動を続けていたものの、2006年にMSGで来日したときにも同じようにステージを放棄してファンをおおいに嘆かせました。しかも会場はどちらも同じ中野サンプラザでしたので、因縁を感じます。
アンヴィルのリップスやロブは、音楽では不遇ながらも家庭人としてはそれなりに幸福そうでしたが、マイケルなんて、離婚に絡むゴタゴタで愛人に全財産を巻き上げられ、楽器も全部オークションで売ってしまったので音楽活動ができなくなったことすらありましたからねぇ。
映画にもマイケル・シェンカーは登場しますが、アンヴィルが挨拶に行っても彼らのことをまったく覚えていませんでした。これはアンヴィルが小物だからではなく、マイケルがバカだからですので、映画を観た人のうちでメタルに明るくない方は、どうか誤解されないように。
(ちなみに、マイケル・シェンカーは人格的にはおおいに問題があるが、ギタリストとしては本当の天才である)