雪の降る町を


”雪の降る町を”のヒットで知られるシャンソン歌手であり、俳優としても活躍した高英男が亡くなりました。


http://mainichi.jp/enta/art/news/20090505k0000m040017000c.html

訃報:高英男さん90歳=シャンソン歌手「雪の降る町を」

「枯葉」を初めて日本に紹介した日本人男性シャンソン歌手の第1号、高英男(こう・ひでお、本名・吉田英男=よしだ・ひでお)さんが4日、肺炎のため千葉市内で亡くなった。90歳。葬儀は近親者で行い、お別れの会を後日開く。喪主はめい吉田隆子(よしだ・たかこ)さん。

 NHKのオーディションに合格し、歌手活動をスタート。51年、声楽を学ぶためパリへ留学。パリで「枯葉」を聴き、シャンソン歌手になることを決意した。帰国後、「枯葉」でレコードデビュー。主なヒット曲は「雪の降る町を」「ロマンス」「愛の讃歌」「幸福を売る男」など。約4000回のワンマンショーのほか、舞台、SF映画「吸血鬼ゴケミドロ」出演など幅広く活躍した。07年までパリ祭に出演、国内のステージには08年末まで立った。

 89年紫綬褒章、92年フランス芸術文化勲章シュバリエ章。

ほかの新聞社などのサイトでは歌手としての業績にしかふれず、せいぜい「映画にも出演した」程度しか書かれていませんでしたが、毎日新聞だけが『吸血鬼ゴケミドロ』のタイトルを挙げているのがポイント高いです。

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さすがに『恐怖奇形人間』にはどこも言及してませんけどね。


ちなみに、高英男を世に出したのが、”枯葉”の訳詞も手がけた中原淳一

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中原の晩年には二人で共同生活を送っており、彼らが同性愛の関係にあったことがしのばれます。
父 中原淳一

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夫中原淳一 (平凡社ライブラリー)

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高英男は、寝たきりになった中原淳一を十年以上にわたって献身的に介護し、その最期を看取っています。この二人の関係は、男と女であれば「内縁関係」とか「事実婚」状態とされ、正式な婚姻関係でなくともある程度は遺族としての権利が認められますが、同性どうしの場合はそれがまったく認められません。同性婚を認めてほしい、という彼ら彼女らの願いは、ロマンティックというよりはもっと切実なものなんですね。


んで、中原淳一の奥さんだったのが、元宝塚男役の葦原邦子


同じく元男役だった、越路吹雪が若いころ三島由紀夫と交際していたこととか、大地真央松平健と結婚していたこととか、そういうのが多いんでしょうか。


そういえば、涼風真世の夫がガチムチのラグビー指導者だったのとか、真矢みきの結婚相手が「貴公子」の異名をとるバレエダンサーだったのも、なんだかそういう方面で想像力を刺激されます。

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まったく追悼エントリになっていないことを高英男氏にお詫びするとともに、謹んでご冥福をお祈りします。