雪の降る町を

昨日は、御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落してから21年目の忌日ということで、ここ数日、各テレビ局などでいろんな特集が組まれておりました。

CD&DVD THE BEST~上を向いて歩こう(DVD付)

そんな時期に、WOWOWではこれを放送しておりました。

吸血鬼ゴケミドロ [DVD]

異様なドス赤い夕焼け空をバックに飛ぶ飛行機。

パイロットが吉田輝雄という時点でアウトですね。

そのアウトな飛行機の、窓にカラスがビチャッ！ビチャッ！と音を立てて次々と激突死。不吉ムードがいよいよ高まったところに「時限爆弾を仕掛けた」という予告電話があり、捜索し始めたら、ピストルを持った男が操縦室に乱入してハイジャックされます。

そうこうしていると、まばゆい光を放つ謎の飛行物体と接近、計器がボッカンボッカン爆発し始めて制御不能に陥り、山中に墜落します。

矢継ぎ早の不幸に落ち込む暇もなく、食料も水も底をついたサバイバルを余儀なくされる10人の生存者。

• 宇宙人の実在を説く宇宙学者
• 極限状態の人間心理を研究する心理学者
• エゴイストの代議士
• エッチしか能の無いその愛人
• 悲鳴をあげるばかりのスチュワーデス
• 死んだ夫を思って泣いてばかりの外人
• 自殺志願のニート
• 大使を暗殺したスナイパー
• 吉田輝雄
• 金子信雄

という、地獄のような面々の人間不信フェスティバルが繰り広げられるのでした。

スナイパーの高英男は、本業はシャンソン歌手で「雪の降る町を」などで知られています。

全曲集

「恐怖奇形人間」の、精神病院の看守役などで俳優としても一部で有名ですね。

この作品では、墜落した飛行機からスッチーの佐藤友美を人質にして逃亡するのですが、そこにまばゆい光を放つアダムスキー型円盤が現れ、その光に魅入られて近づいてゆき、額がバカッと割れ、その中にぐにょぐにょした宇宙生物ゴケミドロが入り込んだことによって、吸血鬼化するのでした。

空飛ぶ円盤同乗記 (ボーダーランド文庫)

ピープロによる特撮はチープながら味があり、冒頭のドス赤い空を手吊りの飛行機がゆんゆん飛ぶ場面はクエンティン・タランティーノもお気に入りで、「キル・ビル」でも再現されています。

キル・ビル Vol.1 [DVD]

飛行機が墜落する人間ドラマといえば「アンデスの聖餐」事件が有名ですね。

生きてこそ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

こちらでは、生存者は亡くなった人たちから生命をもらって生き延び、「生命とは、人間とは」という人間礼賛のドラマが繰り広げられるのですが、「ゴケミドロ」では、人間不信の極限ドラマの末に日本映画史上最強のバッドエンドを迎えることになります。

たまに、エロゲーとかを扱ったブログなどで「鬱展開」「鬱エンド」なんて言葉を見かけることがありますが、まずは「吸血鬼ゴケミドロ」観てからにしなさいね。