風雲プロレス50年

別冊宝島のプロレスムックは、ここ数年は暴露本的な内容のものがほとんどでしたが（その中から「カ…カテエ…」というヒットも生まれているが）、こんな本も出ています。

永久保存版 木村盛綱が撮った「プロレス50年」 (別冊宝島 1610 ノンフィクション)

キャリア50年の超ベテランカメラマン、木村盛綱氏による貴重な写真を集めた本。力道山やジャイアント馬場のリング上の勇姿や、初代タイガーマスクの巡業中のオフショット（ホテルの部屋で、浴衣にマスクを被って当時は珍しかったワープロを打つというシュールすぎる絵面も）、ジャパンプロの合宿風景やレスラーたちの結婚式など味のある写真が満載です。

音楽もプロはだしの腕前だったジャンボ鶴田が、フォークギターを演奏する写真では、鶴田の使用ギターがギブソン・ハミングバードだったこともわかります。
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レスラーの結婚についての写真では、冬木弘道と薫さん夫妻の写真もあったりして、いま見るとなんとも言いがたいものがあったりします。

橋本真也の遺言―PURE WHITE

冬木と死別したのち、橋本真也と交際していた薫さん。最近は草食系男子に続いて「デブ男子」というのがアラサー女子の間で「癒し系」として話題になっているそうですが、その先駆けといえるでしょうね。

BAILA (バイラ) 2009年 05月号 [雑誌]

また、第一次UWF旗揚げの時の写真では、前田日明と田中正悟のツーショットが掲載されているのも味わい深い。

前田日明とリングスの夢 (イノセントファイター)

キャプションには、田中のタの字も出さずに「当時前田が信頼を寄せていた人物」と紹介されているのもグッとくるセンスではあります。

巻末には、夢枕獏と椎名誠の対談もあるし、『プロレススーパースター列伝』の原田久仁信が木村氏に世話になった思い出話を語っていたりもするので、オールド派のプロレスファンにはたまらない本ですね。最近の別冊宝島編集部はどうかしてるんじゃないでしょうか（いい意味で）。