HOOLIGAN’S HOLIDAY
本日おこなわれた浦和レッズvsガンバ大阪の試合ですが、終了後にサポーターが騒乱を起こしたそうですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000089-mai-soci
<J1サポーター>物投げあい、浦和側がガンバ側を缶詰めに
埼玉スタジアム(さいたま市)で17日あったサッカーJ1、浦和レッズ対ガンバ大阪の試合終了後、興奮した双方のサポーターがにらみ合い、ガンバサポーターがスタジアムから出られなくなる騒ぎがあった。約3時間後、浦和レッズが用意したバス約20台で脱出した。
浦和レッズの藤口光紀社長や関係者の話を総合すると、スタジアムは約5万7000人でほぼ満員。騒ぎの発端は試合前にガンバサポーターが投げた水風船が浦和サポーターの子供に当たったこと。ガンバが3対2で勝ち、不穏な雰囲気の中、ガンバの選手がアウェー(相手の本拠地)にもかかわらず、ピッチ内で円陣を組み、跳びはねたことが火に油を注ぎ、双方がフェンス越しに応援旗のさおを投げ合うなど一気に爆発した。
約2時間後の午後6時になっても、スタジアム周辺に約2万人(埼玉県警調べ)の浦和サポーターが居残り、罵声(ばせい)を浴びせ、ガンバサポーター約1500人(同)は缶詰めに。浦和レッズは急きょ臨時バスを用意し、ガンバサポーターは約40分後、ユニホームを脱ぎ、応援旗を隠して県警機動隊員らに誘導され、バスに乗り込んだ。
一方、浦和サポーターも同時刻ごろ、「ガンバサポーターの代表がレッズサポーターの代表に謝罪した」という浦和レッズ運営部長の呼びかけに応じて帰宅し始め、午後7時過ぎに騒ぎは収束した。
サポーターは複雑な表情。千葉県流山市から家族3人でガンバの応援に来た会社員男性(30)は「3歳の長女がいるのに水も買えなかった。怖かった。どっちのサポーターも悪い」と疲れ切った様子。浦和側の埼玉県春日部市の会社員男性(41)は「試合中からガンバ側は浦和側にペットボトルを投げ込んでいた。試合後は浦和サポーターがガンバ側になだれ込み、仲間からもブーイングが起きた」と話した。
藤口社長は「仕返しから物を投げ合うのは良くない。こんな事態になって残念」と苦渋の表情。また、ガンバ選手の行動について「(敵地で)挑発と取られかねない行為は避けるべきだとガンバ側と話をした」と述べた。
浦和東署によると、午後4時半ごろ、ガンバサポーターの男性(35)が押されてスタンドからグラウンドに落ちて右足を骨折し、搬送された。
最近は日本のサッカーもヨーロッパ並みになってきましたね。
この手の観客による騒乱事件においては、日本プロスポーツ界でもっとも先を行っているのがプロレスです。
プロレス醜聞(スキャンダル)100連発!! (Nippon sports mook)
- 作者: 竹内宏介
- 出版社/メーカー: 日本スポーツ出版社
- 発売日: 1998/06
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
日本プロレス史を紐解きますと、力道山・木村政彦組とシャープ兄弟が本邦初のプロレス国際試合を行った半年後の、昭和29年8月8日のこと。
力道山・遠藤幸吉組が、太平洋タッグ王者であるハンス・シュナーベル、ルー・ニューマン組に挑戦するタイトルマッチが、東京体育館に15000人の観衆を集めて開催されました。
シュナーベル、ニューマン組は、正統派だったシャープ兄弟とはひと味違ったラフな戦いぶりを見せますが、実力的には一枚落ち、三本勝負の二本目を終えてスコアは1−1ですが内容は日本組が圧倒しており、タイトル奪取は確実かと思われました。
しかし、三本目で外人組は手荒な戦法に出て、沖識名レフェリーの目を盗んで二人がかりで遠藤をメッタ打ちにし、1分50秒、シュナーベルが遠藤を体固めにフォールします。
この展開は、昭和30年代以降の、あるていど成熟したプロレスファンであれば、悪役の常套手段として納得できることでしたが、当時の純朴なファンにはとても受け容れられるものではなく、激怒した観客がリングサイドに殺到。口々に罵声を飛ばしながらサイダーの空き瓶や小石をリングに投げ込み、リングサイドの記者席にいた記者の頭に空き瓶が当たって負傷する騒ぎも起こりました。
あまりのことにシュナーベルとニューマンもリング上に立ち往生、通報を受けた原宿署から駆けつけた17人の警官隊に護衛されながら辛うじて控え室に帰りましたが、観客の怒りは収まらず、「毛唐を叩き殺せ!」とか「金を返せ!」とか叫び続けたといいます。
その後も、昭和37年にリッキー・ワルドー、ルター・レンジの黒人組が力道山・豊登組からタイトルを奪取したときの日大講堂事件、昭和41年の東京プロレス板橋事件*1、昭和59年の第二回IWGP決勝、アントニオ猪木vsハルク・ホーガン戦における、長州力の乱入による不透明決着に激怒したファンが起こした蔵前国技館事件*2、昭和62年の新日本プロレスを襲った大阪城ホール*3・両国国技館*4の二度の暴動など、ファンの心に暗い影を落としています。
最狂超(スーパー)プロレスファン烈伝 (Count.2) (マンダラケ・リベンジ・コミックス)
- 作者: 徳光康之
- 出版社/メーカー: まんだらけ
- 発売日: 1999/10
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
今回の浦和事件では、双方の観客が旗ざおを投げて暴れたそうですが、そういうときのために、会場の警備員にはこの訓練を実施しておいてほしいですね。