見えない土俵本舗
昨日のエントリに関連して。
小人プロレスについて言及したものの、実はぼく、実際に小人プロレスを観戦したことはないんですよね。
別に「身体障害者を見世物にするなんてキー」とかいうわけじゃなくて、単に女子プロレスがあんまり好きじゃないから、なんですが。
ご存知ない方もおられると思いますが、日本では、小人プロレスは全日本女子プロレスの一部門として存在していたものであり、独立した興行があったわけではないんですね。
欧米では、小人プロレスや女子プロレスは、男子の興行と合わせて開催されており、メキシコでは、人気の覆面レスラーには必ず小人版がいて、「オクタゴンシート」とか「ウルティモ・ドラゴンシート」というのが印象的でした。
しかし日本では、力道山が相撲感覚でプロレスを運営したせいか、男子プロレスと、女子や小人は、厳然と区別されたんですね。
んで、江戸時代の風俗を紐解きますと、大相撲や奉納相撲なんかのほかに、エロティックな見世物として開催された女相撲もありまして。
また、盲人を力士として土俵に上げ、相手がどこにいるかわからずにウロウロする様を見て楽しむ「座頭相撲」というのもあり、これが女相撲と組み合わさって、裸の女と盲人が土俵で取っ組み合うというショーに発展したのでした。
当時の、力士たちの四股名を見ますと。
- 女力士
- 玉の越
- 年の甲
- 乳ヶ張
- 色気島
- 貝ヶ里
- 座頭力士
- 武者震
- 笛の梅
- 杖の音
- もみ下し
- 向う見ず
など、色気とユーモアを感じさせるものだったといいます。それにしても「向う見ず」はちょっとあんまりにもあんまりではないかと。
明治時代以降にも女相撲は行われましたが、セクシーなショーというよりは健全なスポーツ色が強く、やがて昭和30年代以降には女子プロレスに取って代わられたようです。
また、これらとは別に、神事としての女相撲の流れもあり、秋田県などでは雨乞いとして行われていました。
女人禁制の土俵にあえて女を上げることにより、天の神の怒りを呼び起こすという理屈だそうです。
そして、福岡県の二丈町には”目隠し女相撲”というものがあり、七福神の頭巾を被った女性が、マットの上をさまよいながら取り組むといいますから、これはとんまつり好きの血が騒ぎますな。
http://www.nishinippon.co.jp/banaten/event/newstopics/news/2005/12/1209_1.html