すっごい滑るでゴンス!
大相撲夏場所たけなわの今日この頃ですが、協会が力士たちにこんな通達を出したとか。
力士に「汗を拭け」と通達 審判部が支度部屋に張り紙 - 47NEWS(よんななニュース)
日本相撲協会審判部は名古屋場所6日目の18日、汗を拭かずに相撲を取る力士が散見されることから異例の通達を出した。東西の支度部屋に「控えに入る前に必ず汗を拭くこと。関取衆は時間いっぱいの際、必ず汗を拭くこと」との張り紙を掲示した。
横綱白鵬や幕内大砂嵐らのように、上半身を流れる汗を丁寧に拭かない力士は少なくない。白鵬はかつて土俵下の審判から注意を受けた経験もあり、一部の対戦相手から「体が滑って押せない」との苦情が出ていた。伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「目立って汗を拭かない人は何人かいる。自覚してもらいたい」と述べた。
おそらくこの通達を見て、このブログを読んでいる方の多くが、2006年の大みそかに行われたK-1 DYNAMITE!の、秋山成勲vs桜庭和志の試合を思い出すのではないでしょうか。
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とはいえ、オイルやワセリンを過剰に塗布するという行為は、秋山のみならず、ボクシングなど他の格闘技でもよく見られますので、相撲も例外ではないということでしょう。審判部の通達が、明らかに白鵬を狙い撃ちにしていることからも、秋山を引き合いに出してレイシズムと結び付けたがる人がいますが、そういうのはアカンことやと思いますね。
「対戦前には汗を拭く」というのは、競技の公平性のためのみならず、素肌を密着させる仕事をする人なら当然のエチケットという気がしますけどね。
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プロレスには、「両肩をマットにつけて3カウントで勝利」など競技としてのルール(最近はこれを知らん若い人も少なくないらしい)のみならず、「ヘッドロックは左手でかける」など試合を円滑に進めるための不文律、「肌に傷をつけないように爪は短く切っておく」など相手を気遣うエチケットもたくさんあります。
ジェントルメン中村の傑作漫画『プロレスメン』でも、「試合中に嘔吐するギミックのため、消臭効果のあるハーブをあらかじめ食べておく」「噛みつき攻撃の前に、岩塩をかじって口を消毒する」などのエチケットを扱ったギャグが、味わい深く描かれていたものでした。
「身体を清潔に保つ」というのは、それらのギャグとは違う、基本のエチケットですけどね。
(プロレス道場で最も喜ばれる差し入れは、いくらあっても足りない、タオルとTシャツだという)
このエチケットが守られなかったため、試合が崩壊したといわれている例が、1977年に行われたアントニオ猪木vsグレート・アントニオ戦です。
グレート・アントニオといえば、1961年の初来日時にはバスを引っ張るパフォーマンスで人気を得るものの、レスリングの実力が伴わなかったため、その増長ぶりをとがめられてカール・ゴッチやビル・ミラーにリングで制裁され、1977年のこの再来日時には、相変わらず実力がないくせに威張り散らす態度、ならびに右手でヘッドロックをかけるという不文律破りのため、キレた猪木に制裁されたという、制裁を受けたということしか実績がない珍しいレスラーです。
この、猪木に制裁された試合のときは、山男ギミックに固執して風呂に入らず、悪臭を放つ不潔なアントニオに、猪木がキレたとする説もあります。やはり人間、社会生活を送るうえで、清潔を保つ、悪臭を防ぐってのはまず第一の常識ですやね。
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