事件史探訪〜バレンタイン篇

今日は年に一度の聖バレンタインデー。みなさんチョコレートを楽しんでいらっしゃいますか?
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バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は、昭和33年に伊勢丹がキャンペーンを打ったのがはじめと言われており、今年が50周年ということになります。


歴史の古いものではありませんが、甘くほろ苦く、体温で融けるチョコレートは若い恋のイメージにぴったりで、よく考えたものだとうならざるを得ません。


ですが、甘い言葉には裏があるというのはオトナの常識です。



今から24年前、1984年2月13日の出来事ですが。


広島県福山市で、市議会議員の長男である森田泰州くん(9歳)が、下校途中に行方不明となり、家に脅迫電話がかかって来るという事件が発生しました。


1000万円の身代金が要求されましたが、父親が電話を引き伸ばして逆探知に成功、翌日未明に犯人が逮捕されます。


逮捕された犯人は、泰州くんが所属していた少年ソフトボールチームで、コーチをつとめていた津田暎(44歳)。


津田は、泰州くんに「バレンタインデーのチョコもらったか」と声をかけ、泰州くんが「もらってない」と答えたため「買ってやる」と車に乗せ、デパートでチョコを買い与えて、しばしドライブしていましたが、不審を抱いた泰州くんが「帰りたい」と泣き出したので、ネクタイで泰州くんを絞殺し、遺体を山中に遺棄したのでした。

津田には多額の借金があり、当初から泰州くんを殺害するつもりだったそうです。


翌年には広島地裁で死刑判決が下り、津田は控訴しましたが高裁は棄却、最高裁で上告も棄却されて死刑が確定。

1998年に広島拘置所の露と消えたのでありました。

戦後死刑囚列伝 (宝島社文庫)

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「チョコレートあげる♪」という甘い言葉に釣られた男が、きょう一日で日本中にどれだけいたのか知りませんが、ぼくの口からはだまされんなよとしか云う言葉がありません。