夢の架け橋

昨日のエントリに関連して。


江原啓之を批判しているメディアの筆頭が、「週刊文春」です。

http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/

昨日紹介した、檀れいの亡父に関する一件も、文春の記事がきっかけになっています。

週刊文春」は、以前から一貫して江原批判の記事を載せており、江原側からも取材拒否の通告を受けています。


このように週刊誌は、特定の団体や人を敵としてネガティヴキャンペーンを張ることによって、誌面のテンションを保つという性質があります。


文春のライバル誌である「週刊新潮」は、創価学会を敵として批判記事をたくさん載せており、学会系の雑誌「潮」や「第三文明」では、新潮に対し「俗悪デマ雑誌」「社会への凶器」と過激な見出しで批判記事を載せ、陰湿な中傷合戦を繰り広げています。


また、月曜発売の雑誌を見ると、「週刊ポスト」では日本相撲協会をターゲットとし、八百長疑惑を告発する記事を長年にわたって載せており、協会から告訴されたりもしています。

週刊ポストは「八百長」をこう報じてきた (小学館文庫)

週刊ポストは「八百長」をこう報じてきた (小学館文庫)

1996年には、内部告発者として手記を載せていた元大鳴戸親方が、暴露本の発売直前に、後援者と同じ日に・同じ病院で・同じ「原因不明の呼吸器疾患」で亡くなるという怖すぎる事件も起こっています。


同じ月曜発売で、コンビニなどではいつも並べて売られている「週刊現代」は、2006年に格闘技イベント「PRIDE」を運営していたDSE暴力団との関係をスッパ抜き、放送していたフジテレビの契約解除に至りました。

こちらを見ると、この事件が格闘技ファンに与えた衝撃の大きさがわかります。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%bd%b5%b4%a9%b8%bd%c2%e5


格闘技の話が出たので、強引にプロレス方面に持っていきます。


現在は、週刊のプロレス雑誌は「週刊プロレス」しか出ていませんが、以前は「週プロ」と「週刊ゴング」の二誌がありました。


この二誌は、記名原稿により記者の主観を強く出した「週プロ」と、保守的な方針でプロレス村の暗黙の了解を尊重する「週ゴン」という対照的なカラーを持ち、部数的には週プロがリードしていましたが、業界的には「ゴング」もウケが良かったものです。


とくに1990年、全日本プロレスから天龍源一郎はじめ多数の選手を引き抜いて設立されたSWSをめぐっては、ターザン山本編集長のもと、これを「金権プロレス」と痛烈に批判して取材拒否を受けた「週プロ」と、天龍番記者だった小佐野編集長のもと好意的な記事を書いていた「ゴング」とでその対応はまったく分かれました。


SWSが崩壊し、1992年に天龍がWARを旗揚げしてからも天龍⇔ターザン山本の軋轢は残り、1995年に週プロが全団体に呼びかけて、東京ドームで「夢の架け橋」という国内全団体参加のイベントを計画した際にも、イベント当日にすでに後楽園ホールでの興行を予定していた天龍は参加を断固として拒否し、天龍と親しい長州力をはじめ反ターザン山本派のレスラーたちも次々にこちらへの参加を表明、「ゴング」もこちらを強力にプッシュし、結果として、同日同時刻に、隣り合った東京ドームと後楽園ホールで興行合戦が行われるというプロレス史に残る事件となったのでした。


「ゴング」派だったぼくは、後楽園ホールの盛り上がりにおおいに溜飲を下げたものです。こういうヤケクソじみた反骨精神も、プロレスに欠かせないもんでしたね。