鉄人vs巨人

さて今日も『ジャイアント台風』の話です。

世界チャンピオンのバディ・ロジャースに挑戦したものの反則防衛で逃げられ、ロジャースに代わり王座に着いたサンマルチノとの試合も謀略によって中止させられた馬場は、きたないアメリカ・プロレス界への復讐心のために狂乱のファイトを展開するようになり、ファンからフランケンシュタイン・ババ”と呼ばれ恐れられます。
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しかし、怪物としてではなく正統派のプロレスを追求する馬場は、「悪役や反則は通用しない、アメリカで一番ファンの目のこえた正統プロレスの王国」であるセントルイスへ乗り込み、そこを本拠とする鉄人ルー・テーズに挑戦します。

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三本勝負で対戦した馬場は、一本目をテーズの神業ドロップキックで取られたものの、二本目はジャイアントスイングでテーズを投げてロープに絡ませ、エプロンサイドに半身を出して身動きの取れなくなったテーズからカウントアウトで一本取り返しました。


テーズから一本を取ったことで、名実ともに一流レスラーの仲間入りを果たした馬場。

こうなったらもう一本取ってNWA世界タイトルをいただいてやる、と熱く燃えて三本目に挑みます。



馬場は、テーズを首投げで倒して寝技に持ち込み、袈裟固めの体勢でテーズの脳天にチョップを打ち込みます。


その脳天を見て、馬場は思いました。

うむ…
テーズの脳天はだいぶうすくなって

はげているぞ

テーズも年なのだ、勝てないことはない! と闘志をあらたにする馬場なのでした。


この試合が行われた(とされている)1962年、1916年生まれのテーズは46歳、1938年生まれの馬場は24歳です。

若きホープが老いた名人に挑戦する、というシチュエーションとしては悪くないシーンですね。



まぁその後のことを考えると、22も若い馬場の方がテーズより3年早く亡くなってしまうわけで、複雑なものがありますけどね。