男らしいってわかるかい

というわけで「300」観てきたわけです。



筋肉!
巨漢!
フリークス!
怪獣!(違うけど)
首チョンパ

オレが映画に求める要素が、頭からケツまでガッチリ詰め込まれてました。


これであと銃撃戦があれば言うことなかったんですが、さすがにそれは無理でした。

それから、オラクルのおっぱいが貧弱すぎたことはとりあえず忘れておきます。


とにかく、全編にわたって「男らしい」ことが最重要視されています。


スパルタ王レオニダスは、ペルシアに買収されて軍の投入を許可しないオペラハウスのご老人がた(あの姿、『ミッドナイト・ミートトレイン』かと思った)に叛旗を翻すわけでもなく、援軍をよこさない議会に毒づくわけでもなく、といって決して自暴自棄になっているわけでもなく、少ない兵力で最大限の戦果を挙げるため、地の利を生かして戦います(「兵力に勝る敵軍を、狭い地形に誘い込んで戦う」というのは、洋の東西を問わず戦記ものの定番ですね)。


「男らしい」というのは、筋肉を見せびらかすことでもなく、タバコの煙を漂わせながら喋ることでもなく、テキーラを一気飲みすることでも家に帰らないで仕事することでもありません。


それは、「人のせいにしない」ってことだと思うんです。


動かせない事情は事情として受け入れ、出来る限りのベストを尽くす、という。

これって、事態の抜本的解決にはつながらないという側面もあるのですが、男のそういう姿には、男の心を打つ何かがあるんですね。



まぁ、そういうマチズモに一石を投じる意味でこういう歌もありますけどね。


[rakuten:ebest-dvd:10739010:detail]


あと、筋肉ムキムキ半裸男たちが弓矢で射たれる場面は、三島由紀夫が観たら大興奮間違いなしって感じだったと思います。

仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

『聖セバスチャンの殉教』に魅了された三島は、のちに盟友澁澤龍彦が「血と薔薇」を創刊したとき、「男の死」というグラビア企画でこのモチーフに挑戦していました。
血と薔薇―全3号復原

血と薔薇―全3号復原


(↑ちなみに撮影・篠山紀信
今回のジェラルド・バトラーも、どこかで誰かのそういう趣味を目覚めさせたりしてるんでしょうか。



んで、原作も邦訳されています。

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

これ、訳者が「関川哲夫」って書いてあるんですけど…

ポーゴさん、そんな仕事まではじめたんでしょうか。