拳が燃える
今日発売の「イブニング」を読みましたら、「餓狼伝」で南京大虐殺がネタになってたのでちょっと驚きました。
今号は、北辰館トーナメントの準決勝第二試合、畑幸吉(古武術)vs姫川勉(美形)の一戦。
畑は前回、危険な技を使うと丹波文七に宣言、その言葉どおりいきなり左手で眼突きを仕掛け、もちろんガードされて手を切り裂かれたのですが、実はそこまで作戦のうち。
右手で姫川の右手首を掴み、瞬間移動みたいな動きで回り込んで四方投げの体勢に入ります。
(↑こんな感じで腕をぐにっと曲げて投げる技)
ここで、唐突に南京事件のエピソードが挿入されます。
日中戦争たけなわの1937年、日本軍に占領された南京において捕虜・民間人合わせて20万人以上が殺害されたというかの事件。
その中、武道経験者の兵士たちは、無抵抗の捕虜相手に技の実験をするという蛮行に及びます。
その実験において、もっとも危険で殺傷力が高いとされたのが、畑が今回姫川に仕掛けた四方投げだった、というのですね。
これは、塩田剛三が戦争に行ったときのエピソードをもとにしているのでしょう。
- 作者: 塩田剛三
- 出版社/メーカー: 竹内書店新社
- 発売日: 1997/05
- メディア: 単行本
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案の定、2ちゃんねるの「餓狼伝」スレも、「20万人は有り得ない、板垣恵介はサヨク」みたいなレスがガンガン書き込まれて盛り上がっております。
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/comic/1179415273/l50
そういう人は、id:Apemanさんのところにでも行ってみればいいんだと思います。
以前、本宮ひろ志の「国が燃える」が抗議を受けて事実上の打ち切りになったことがありましたが、今回の「餓狼伝」にも抗議してくる人がいるんでしょうか。
まぁ、アレはそういう受け取り方をする漫画じゃないと思うんですけどね。
- 作者: 板垣恵介,夢枕獏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: コミック
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あと、イブニングでは「ビビリメガネ」というなんかヘンな漫画も始まっているのですがこれがなかなかヘンで面白い。
主人公は、気弱なメガネ男子高校生なのですが猟奇犯罪マニアで、しかもなぜか柔道黒帯。
読んでいた本をヤンキーに取り上げられ、
「魚さんの本を声出して読むな!」
とキレて袈裟固めで絞め落とす(本当はこれ絞め技じゃないんだけど)、というあたりはもう誰に向けて書いてるのかわかりません。
ちなみに「魚さん」というのは、1930年代の幼児殺人犯アルバート・フィッシュのことです。
- 作者: 平山夢明
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1999/08/10
- メディア: 文庫
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作者の門辺美沙という人はまだ18歳ぐらいの女の子だそうですが、なんというか「若いのに気の毒なことじゃ」という気がしてなりません。