嫁に来ないか からだ一つで
こんなニュースがありました。
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081177965502.html
[パトナ (インド) 30日 ロイター] 東インドの村での結婚式に集まった人々が、花婿が結婚することができないくらい泥酔した状態で到着したため、代わりに花嫁を花婿の弟と結婚させた。
ビハール州アーワル地区の村での日曜日の結婚式について、マド・シン警察官は「伝え聞いたところによると、酔っぱらった花婿は、花嫁の家族と地元の人々が彼を追い払ったところ、無礼をはたらいたそうです」と、ロイターに語った。
証言によれば、花婿の弟は、10代の花嫁の家族に提案され、兄に代わることを簡単に同意したそうだ。
「花婿は自分のふるまいを謝りましたが、噂が広がり二度と結婚することはできないだろうと泣き続けていました」と、シンは電話で語った。
インドには、悪名高いダウリー(花嫁持参金)という習慣がありまして、持参金の少ない花嫁は夫や舅や姑から虐待され、甚だしい場合はガソリンをぶっかけて焼き殺されることもあります。
貧しい家の三人姉妹が、親に持参金のための苦労をかけたくないと揃って首吊り自殺した例もあり、女児の間引きも絶えないというこの制度、廃れるどころかどんどん普及しているといいます。
この花婿の家も、おそらく多額の持参金をもらっていたためにこういう交代劇が生まれたのでしょうね。
家どうしの結びつきが重視される文化においては、兄弟姉妹は取替え可能な部品とみなされます。
夫が死亡したとき、夫の兄弟がその妻と再婚するのをレビレート婚といい、妻が死亡したとき、妻の姉妹がその夫と再婚するのをソロレート婚と呼びます。
たとえば、旧約聖書のオナンは、自慰をさす「オナニー」という言葉の語源となっていますが、実際の文面では自慰行為をしたわけではなく、兄嫁との性交を忌避した、つまり律法によって定められたレビレート婚の掟に従わなかったために神の怒りを買い、雷に打たれ死んだものと考えられています。
旧約聖書にまでさかのぼらなくても、こういう結婚は日本でもけっこうよく見られた習慣ではあるんですけどね。うちの親戚にもあるし。
さて。
この、「結婚式当日に花婿交代」というニュースを見たとき、最初に思い浮かんだのが二宮ひかる先生の「ハネムーンサラダ」だった、という人はたぶんぼくの半径ワンクリック圏内で数人いるかと思います。
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これが、持参金やら結納金やらで家どうしががっちり絡み合っているような結婚だったら、一花の二人の妹のどっちかと、主人公の夏川くんが結婚するということになるんでしょうね。
うわ、それはイヤだ。