Hysteria

近年の日本では非婚化が進み、初婚年齢はどんどん上がっていますが、女性の地位が低いイスラム諸国では、幼い少女が売られるようにして年配の男性と結婚させられる事例が後を絶ちません。
ムハンマドの言行録ハディースによれば、ムハンマドは最初の妻と死別した後、53歳のときに9歳の少女アーイシャと結婚しています。このため、イスラム圏において女性の結婚可能年齢は9歳からとされていることが多いです。また、サウジアラビアオマーン、イエメンでは人間は生まれながらに結婚する権利がある、として法律上、結婚可能年齢の下限を定めていません。ただし、その場合もムハンマドの故事にのっとり、性交は9歳になるまで禁じられているようです。というか9歳でもアウトだろ常識的に考えて。


んで、結婚可能年齢の下限を定めていないイエメンから、こんな事例が伝わってきました。



イエメンで8歳の「花嫁」が初夜に死亡、子宮破裂で | ワールド | 中東 | Reuters イエメンで8歳の「花嫁」が初夜に死亡、子宮破裂で | ワールド | 中東 | Reuters

サヌア(イエメン) 10日 ロイター] - 中東イエメンで、わずか8歳で結婚させられた少女が、新婚初夜に内出血で死亡するという惨事があった。人権活動家らが明らかにした。


人権活動家のArwa Othman氏によると、同国北西部のハッジャ県で、ラワンという名の少女が、自分の年齢の5倍にあたる40歳の男性と結婚式を挙げた。その夜、2人は性行為におよび、ラワンは子宮破裂による出血で死亡したという。


Othman氏によれば、現地当局は、ラワンの「夫」や家族に対して事情聴取などは一切行わなかった。


また、地元の治安当局者はそのような事件があったことを否定している。しかし、ロイターの取材に応じた2人の住民によると、この悲劇が報道で伝えられると、部族長らは事件の隠ぺいを図ったという。


イエメンでは貧しい家族が生活費を浮かせるため、もしくは夫から支払われる金銭目当てに幼い女児を嫁がせることがある。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが国連などのデータをもとに明かしたところによると、同国の少女の約52%が18歳までに結婚するという。

酷い話です。8歳の子どもと性行為に及ぶなんて、正気の沙汰とはとても思えません。しかもこれ、夫がロリコンだというわけじゃなくて、当地の文化がそうなってるわけですからねぇ。女性の地位が低いイスラム圏では、レイプの被害者が姦通罪で罰せられたりもしていますが、こういうペドファイル文化も脈々と息づいていると思うと、なんとも暗澹たる気分になります。



でもこのニュースね、ちょっと疑問に思うところもあるんですよ。



この記事では「子宮破裂」という語句が使われていますけど、子宮破裂というのは、出産時に強すぎる陣痛が起こったとき、発生する急性疾患です。それも、多くは帝王切開子宮筋腫を手術した経験のある人に起こるもので、いくら少女の未熟な肉体であっても、通常の性交で子宮が破裂するとは考えにくいんですよね。実際には会陰部の裂傷なんじゃないかなぁ。でも、それで死亡するほど出血するとも思えないんだよなぁ。細部が正確かどうか、ちょっとわからないニュースだなぁ。



数年前から、日本の各地で騒がれた「ショッピングセンターのトイレで女児が暴行され、子宮破裂の重傷」という都市伝説があります。

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うちのブログでも何度か取り上げました。


男の魂に火をつけろ! - Know your enemy 男の魂に火をつけろ! - Know your enemy


男の魂に火をつけろ! - 早く寝ないとブギーマンが来るよ! 男の魂に火をつけろ! - 早く寝ないとブギーマンが来るよ!


前に大流行したのが2007年で、このときは南関東からはじまって北海道や鹿児島県まで広まりました。「子宮破裂」という単語のショッキングさが、全国の、子を持つ親たちを震え上がらせるのに充分なインパクトを持っていたということでしょう。


今回のイエメンのニュースも、よりセンセーショナルに伝えるために誇張しているような気がするなぁ。「オルレアンのユダヤ人」や「ショッピングセンターにたむろする中学生」にあたる、敵意を向けてもいい相手として「イスラム圏の中年男性」が選ばれてる惧れすらありますよ。こういうニュースでは事実関係を正確に伝えてくれないと、問題意識そのものが胡散臭くなっちゃうから、気を付けてほしいんだけどなぁ。