Gの悲劇
このGWには、なぜかBSで石坂浩二の金田一耕助シリーズが放送されています。
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie.html#200705012000
今日は「獄門島」。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/05/28
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ちゃんと、例の「キチガイじゃが仕方ない」もカットなしで放送されました。
※以下ネタバレ
近年は、「基地外」とか「既知外」という言葉も使われてますが、「気違い」という言葉の言い換えとしては、この作品の「季違い」が元祖だと思われます。
さて、この作品についてですが。
すでに亡くなった人物の作った計画に則って殺人が行われる、という点において、よくエラリー・クイーンの「Yの悲劇」との共通が指摘されています。
- 作者: エラリー・クイーン,鮎川信夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1959/08/30
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「獄門島」は横溝正史の最高傑作といわれることが多いのですが、「Yの悲劇」も、ミステリベストテンの類でよく1位になっています。これも共通してますね。
あれは結局、梅毒が全体のテーマでしょう、だからあまり好かんのですわ
と語っておられました。
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1979/01
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「Yの悲劇」の舞台となるハッター家は、その名前どおり「気違いハッター家」と呼ばれる精神異常者揃いの一家で、母のエミリーからの遺伝がほのめかされています。
横溝先生は、持病の肺結核に長年苦しめられた方でしたから、感染症を遺伝性の業病のように描いたこの作品には、ちょっと複雑な思いがあったのでしょう。
ですが。
「獄門島」でも、本鬼頭の当主与三松がお小夜聖天を後妻に迎えてからというもの、お小夜は発狂して死亡し、与三松も発狂して座敷牢に閉じ込められ、生まれた三人の娘はいずれもお馬鹿さん、というちょっとアレな家系の遺伝が見られます。
…これって、アレじゃないんですか横溝先生。