ノックスの十戒

なんとも不可解な事件がありました。

5日午後4時20分ごろ、東京都文京区白山のマンション室内で、この部屋に住む読売新聞メディア戦略局管理部社員の男性(36)が、玄関で倒れているのを旅行から帰宅した男性の母親が見つけた。警視庁富坂署員が駆けつけると、男性は後ろ手に両手に手錠をかけ、口の中に靴下を詰め込んだ状態で死亡していた。死因は窒息死とみられる。
 調べでは、玄関は施錠され、着衣に乱れはなかった。左手に手錠の鍵を持ち室内に物色された跡もない。遺書はなかったが、富坂署は事件の可能性は低いと見て、詳しい死因を調べるとともに、家族らから事情を聴いている。
 読売新聞によると、男性は編集局政治部の記者も兼務し、総務省を担当していたという。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/46405/

調べによると、男性の口には靴下が詰まっており、その上から粘着テープが張ってあった。
窒息死とみられる。着衣の乱れや外傷はなく、左手に手錠の鍵を持っていた。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007040500721


口に靴下を詰めた上から粘着テープを張り、後ろ手に手錠をかけられて死んでいるのが「事件性なし」だというんだったら、世の中に殺人事件なんてなくなっちゃいますね。



どう考えてもなんらかの圧力があったとしか思えませんが、あんまり追求するとヤヴァいことになりそうなのでたぶんこのままウヤムヤになるんでしょう。



ところで。



この死体の発見状況から、ちょっと連想した作品がありました。



ロナルド・ノックスの「密室の行者」です。

世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)

世界短編傑作集 3 (創元推理文庫 100-3)

お堂にこもって断食行をしていた行者が、お供えの食べ物にまったく手をつけないで餓死していました。


「さすがの精神力だ」と周囲は褒め称えますが、その真相は…(ネタバレ回避のため以下略