Skeleton in the closet
東京では、渋谷と新宿で家族間のバラバラ殺人が相次ぎ、また茨城でも男性の切断遺体が発見され、世はまさにバラバラフィーバーといった感があります。
これで、また「最近は家族の絆が崩壊してうんぬん」とかいう人が出てくるんでしょうけど、前にも書いたことがあるんですがバラバラ殺人というのは不思議なもので、一つ発生すると連続して起こるという性質を持っています。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070112/mng_____tokuho__000.shtml
佐木隆三先生も言っていますが、事件というのは模倣性と伝播性がありますので、連続することは別に不思議なことではありませんね。
ですが、東京日報のデスクはこんなことを言っています。
<デスクメモ> 昼飯どきのジョーク。「警察は左うちわだな」「だって凶悪殺人事件が連続だぜ」「でも犯人は簡単にわかる。身内を調べれば、すぐ自供する」
笑いながら心がささくれだつのが、わかった。家族も信じられない社会。一番安全なのは無人島か。二番目は宇宙空間か。そりゃ漫画の発想だといいたいけれど。
「家族も信じられない社会」といいますが、殺人というのは昔から家族間のものが多く、妻が夫を殺害して解体した事件も昔からあり、昭和27年の荒川放水路バラバラ事件は有名です。
この事件は、警察官の夫を小学校教師の妻が殺害し、妻の母と二人でバラバラにして捨てたというもので、当時の世間に衝撃を与えました。
意外に思う人もいるかもしれませんが、実はバラバラ殺人の犯人は多くが女性です。
理由は簡単、そのままでは運搬できないから。
バラバラ殺人はリスクが高い犯罪です。
解体するのには手間がかかるし、道具を用いることによって凶器や証拠物件はいたずらに増え、死体の断片をあちこちに捨てるのは愚の骨頂、10箇所に捨てれば見つかる確率は10倍になる、と悪いことばかりです。
それでもバラバラにしてしまうのは、とにかく死体を処分したい、殺人という現実から逃避したいという気持ちの表れであり、残酷というよりむしろ人間らしい行為であるといえます。
殺したことを何とも思ってないような人間ならば、わざわざバラバラになんてしないでしょ。
ここ数日のニュースでは、逮捕された兄や妻がいかに異常な人間だったか強調する論調が見られますが、別に異常な人間でなくたって状況しだいでは殺人だって死体損壊だってするんです。
家族の間で殺人なんて…いったい家族の絆はどこへ行ったの?
なんて思うのは勝手だけど、家族の絆ってのはそんなに都合の良いものじゃないよ。
赤い蛇 マジカルホラーシリーズ4 (マジカルホラー (4))
- 作者: 日野日出志
- 出版社/メーカー: 星雲社
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る