若くない君への年賀状
最近はなんだかはてなサヨクという言葉がはやりだそうですが、たしかにはてなというコミュニティは比較的リベラルが強い印象を受けますね。
まぁ、そういうサヨクっぽさが気持ち悪いってんならiza!でも使えばいいんだと思います。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/seiron/34073/
というわけで、我らが「国家の品格」、藤原正彦先生のありがたいご託宣ですが。
これはいい釣り堀ですね。
いきなり「若い君への年賀状」と題名を付け、「君の生まれたころの日本はうんぬん」とのたまってるのですがいったい何歳ぐらいの人に向けてるんでしょうか。「若い」「君が生まれたころ」というだけでひとくくりにできるほど、日本の世相は大雑把ではなかったと思うんですけども。
とりあえず、昨日が成人の日だったので、20歳ぐらいに向けていると仮定してみます。
「君の生まれたころ、援助交際も電車内での化粧もありませんでした」
この人は、売春という人類最古の職業が、ここ20年以内に誕生したものだとでも思っているんでしょうか。
「援助交際」という言葉自体は90年代になってから生まれたものでしたが、それをもって「昔はこんな言葉はなかった、だから昔はそんなものなかった」と言われても困ります。
それと、電車内での化粧はけっこう昔から「イマドキノワカイムスメハ」という嘆きの定番として使われており、これだってそんなに新しいものではありません。
もっと昔の女性は電車内で化粧なんかしなかったのかもしれませんが、かわりに電車内で赤ちゃんに授乳したりしてたんだから、公共心だの恥の概念だのなんて所詮そんなもんでしょう。
金融がらみで、法律に触れないことなら何をしてもよい、という大人が多くなりました。
80年代はサラ金が悪名を轟かせた時代で、杉山会長が札束をばら撒く姿をテレビで観た方も多かったかと思われます。
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これに比べれば、ホリエモンなんてお上品なお坊ちゃんの遊びみたいなもんです。
それに、豊田商事の事件だって20年ぐらい前でしたしね。
昔から、お金ってコワかったんですねぇ。
「君の生まれたころに比べ、わが国の治安は比較にならないほど悪くなっています」
もう、耳にタコができるどころか、耳のカリフラワー化が極度に進行してキラー・コワルスキーのニードロップでそぎ落とされそうなぐらい聞かされている文句ですね。
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「君の生まれたころ、いじめによる自殺はほとんどありませんでした」
これはもっとも酷い部分ですね。
1980年代後半は、いじめ自殺が大きな社会問題になった時期でした。
特に1986年2月1日に自殺した鹿川裕史くんの例は有名で、遺書にあった「生きジゴク」というフレーズや、担任教師まで一緒になってやった「葬式ごっこ」などは世間に大きな衝撃を与えています。
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この事例のほかにも、1985年から86年にかけていじめによる自殺は多発しており、いつも参考にしているこちらのサイトに載っているだけで20人もの児童・生徒が自殺しています。
http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/50849840.html
これで「ほとんどない」というなら、今は「まったくない」と言ってもいいでしょうねぇ。
藤原先生いわく、祖国への真の誇りを取り戻すために日本の生んだ物語、名作、詩歌などに触れ、独自の文化や芸術に接することが必要なんだそうですが、それよりもやはり精神的なものを鍛え、国体を復活させる方が先ですよね。