悪魔のような女

昨今は、ドメスティック・バイオレンス略してDVというものがよく話題になっており、女性が夫やパートナーから暴力を受けることの痛ましさについて、多くの方が認識しているものと思われます。

ドメスティック 5 (芳文社コミックス)

ドメスティック 5 (芳文社コミックス)

ですが、こちらの方がご指摘されているように女性が男性に対してふるう暴力もあり、文学作品にも取り上げられておりました。

ダメおやじ (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

ダメおやじ (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

この作品では、主人公は妻子から「おい、ダメおやじ」と呼ばれ、頭にクギを撃ち込むなどの過激な暴力描写が少年たちにトラウマを与えたものです。

「ミスター・デンジャー」と呼ばれたプロレスラー、松永光弘の得意とした釘バット攻撃はこの漫画へのオマージュという説もあったほどです。嘘です。



しかし、連載後半になるとおやじはひょんなことから大会社の社長になり、家族は掌を返したように優しくなります。

おやじは、アウトドアライフを楽しんだり、高原のホテルを経営したりと男の夢を次々に実現し、その後「減点パパ」「BARレモン・ハート」と続く薀蓄漫画路線を確立するのでありました。

BARレモン・ハート 22 (アクションコミックス)

BARレモン・ハート 22 (アクションコミックス)


また、近年の漫画作品にも女性が男性に暴力をふるうものが散見されます。

↑格闘士の心遣いを解しない、女の暴言の例

↑さらに続く暴力の例


ですが、烈海王はさすがに魔拳と呼ばれる男だけあって、ノーダメージ。

これほどの仕打ちを意にも介さず、梢江のパートナーである刃牙の体を気遣い、豪勢な料理と14キロの砂糖水までご馳走してくれました。ステキな男です。



警察庁のまとめによると、平成17年に報告された相談件数は、被害者の97.6%が女性で2.4%が男性だということです。


ですが、上で挙げたリンク先によると、「配偶者から暴力を受けたことのある人の割合」という調査では、およそ女性2:男性1の割合で「配偶者暴力を受けた経験がある」と答えているそうです。


では、なぜ男性からの被害相談件数は圧倒的に少ないのでしょうか。


上のリンク先では、ジェンダーフリーフェミニストの陰謀により、「DVは女性が被害者」と規定されていて、男性被害者が疎外されているからだと考察されていますが、烈海王ほど極端でないにしても、男性と女性では暴力の威力に大きな違いがあるということも考慮に入れる必要はあると思われます。


だって、男に殴られて大怪我をしたり死んだりした女はいても、女に一撃でKOされる男は滅多にいないでしょ。


たいていの男は、女にひっぱたかれたってそんなにダメージ受けませんからね。ちょっとほっぺたが腫れた程度で自分の女房を警察に訴える人はそんなにいませんよ。


まぁそういう「男はかくあるべき」という圧力によって男が傷つき抑圧されている、というのは事実だと思いますがそれは別にフェミニストの責任ではないでしょう。その辺は自浄能力ってやつでなんとかすればいいんだと思ったりします。



バランスを取るために、女性から男性に向かう暴力の例として、男性が大きなダメージを負うものも紹介しておきましょう。

一騎当千」は、男女の性差や筋量の違いよりも、三国志の英雄から受け継いだ勾玉のランクによって戦闘能力が決定されるので、か弱い少女が屈強な男をあっさりKOする場面が多く見られます。

一騎当千 第12巻 (GUM COMICS)

一騎当千 第12巻 (GUM COMICS)

ですが、同様の理由で屈強な男たちがか弱い少女をよってたかってボコボコにする場面も出てくるので、男女平等ってこういうことなんかなーと思ったりもしたり。


あと、保険金目当てとか夫の浮気を責めてとかの理由で妻が夫を殺害した事件は枚挙にいとまがありませんが、凶器や毒物を持ち出した時点でDVとかそういうレベルじゃなくなるのでこれは別にするべきでしょうね。

悪魔のような女 [DVD]

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この映画は、暴力的な夫を妻と愛人が共謀して殺害する話なので、フェミニズムっぽいといえるかもしれません。


なんて言ってるとラストで腰抜かしますよ。