夢みたい!カモノハシみたい!

THE END

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映画「NANA2」は来月から公開になるそうですね。


ヒロインと熊谷龍平が別の人になったこと以外全然知らないんですけど、こちらのエントリによりますと。

http://d.hatena.ne.jp/Dirk_Diggler/20061113/p1

ヒロインはほぼ同時期に二人の男性と関係を持ち、妊娠したもののどちらの子かわからない…という展開になるということです。

これを聞いて即座に連想したのが、1987年に放送され、金曜22時の必殺シリーズ最終作になった*1「必殺剣劇人」でした。

必殺仕事人V風雲竜虎編/必殺剣劇人 [VHS]

必殺仕事人V風雲竜虎編/必殺剣劇人 [VHS]


当時、「ニュースステーション」の放送開始によってテレ朝系のドラマ枠は大きく変動しており*2、またシリーズのマンネリによる人気の降下もあって必殺シリーズは打ち切りを余儀なくされました。


そこで、最後に一発かましてやろうと思ったのか、それまでの様式美をかなぐり捨て、ド派手なチャンバラをフィーチュアした異色作「剣劇人」が放送されます。


主人公は、近藤正臣田中健あおい輝彦の三人。

彼らは、かつて江戸城から一万両を盗み出した義賊でしたが、いっこうに世の中が良くならないのに嫌気がさして今はダラダラとその日暮らしをしています。


中年男三人が同居しているというのはどことなくウホッ的なものを感じなくもないですね。


そこに、かつて三人の共通の恋人だったお百の娘、お七(工藤夕貴)が生まれ故郷の八丈島から江戸へやってきました。

三人のうち、誰が工藤夕貴の父親なのかわからないので、とりあえず三人とも父親ということにしてしまいます。


これも、男三人で一人の女を共有しあうという関係性になんとなくアッー!的なものを感じないこともないですね。



で、自然豊かな八丈島でのびのびと育った工藤夕貴は、まぁ彼女のパブリックイメージに忠実なかなりの不思議ちゃん。
江戸という大都会に渦巻く悪に、まっすぐかつ素直な怒りを示します。


彼女のため、三人の父親はかつての衣装を引っ張り出し、三途の川の渡し賃六文で悪を倒す、幻の世直し三人組となるのでした。


従来の必殺シリーズといえば、警戒をかいくぐって人知れず標的を抹殺するクールさが身上でしたが、この作品では堂々と殴り込んで雑魚を蹴散らし、それぞれの武器で悪人の親玉をブチ殺し、光るガマガエルに乗って立ち去るというあまりというにもあんまりな殺陣で視聴者の度肝を抜きました。


そして、最終回では中村主水も登場してともに仕置をするのですが、このときはいつもの衣装(鞍馬天狗ふう、火消し装束、すたすた坊主)が火事で焼失したという設定のため、中条きよし・三田村邦彦山崎努が演じたキャラのコスプレをして、それぞれの殺し技まで真似するというもはや新春スターかくし芸大会みたいな内容をぶつけ、わずか八週の放送をしめくくるのでした。



玉山鉄二成宮寛貴が子供のために仕置人になるってんなら、「NANA2」観てもいいかも。

*1:なお、4年後に別の枠で「必殺仕事人・激突!」が放送されている

*2:特捜最前線」も打ち切りになった