柳生十兵衛三度死す - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

今日は、例の鹿児島のバドミントン部と「空手バカ一代」を絡めたネタを書こうと思っていたのですが。

ブクオフでこの本を見つけて買ってきてしまい、それどころでなくなってしまいました。

吉梨さんトコでたびたび話題にされていた、荒山徹先生の作品。

柳生十兵衛を扱ったぶっ飛び小説といえば、山田風太郎御大の「柳生十兵衛死す」があったので、コレを超えるスパーク小説が在り得るとはよもや思っておりませんでした。

その思い込みは、完膚なきまでに打ち砕かれることになります。

「柳生十兵衛死す」では、十兵衛が、竹阿弥の能によって室町時代の先祖と入れ替わる（竹阿弥は世阿弥と入れ替わる）というものすごい奇想を見せてくれましたが。

「十兵衛両断」では、朝鮮呪術ノッカラノウムによって呪術師柳三厳とボディチェンジされてしまいます。

ギニュー隊長にチェンジされた悟空は、再度のチェンジによって元の姿に戻りますが、ノッカラノウムはポタラによる融合と同様に不可逆のもの。

貧弱な肉体にチェンジされてしまった十兵衛は、ふたたび自分に戻るために過酷な修行に身を投じ、やがてその克己心が生んだ奇跡によって朝鮮人の肉体を十兵衛化することに成功し、もう一人の十兵衛との決戦に挑むのでした。

「死す」でも、「柳生十兵衛最強の敵は柳生十兵衛」というテーゼが提示されていましたが、「両断」でもそれは再度提示されています。

他の剣豪とか武将で、こんな扱いを受けてる人って他にいないでしょうね。
れっきとした歴史上の人物なのに、ほとんど格ゲーの同キャラ対戦みたいになってるんですもん。

これの十兵衛は何代目かの人物であり、我らが十兵衛とは別人ですけどね。もちろん、柳三厳とも別人で。

柳生新陰流には、柳生但馬守宗矩にはじまる江戸柳生と、柳生兵庫助利厳（如雲斎）にはじまる尾張柳生がある、というのはよく知られています。

しかし、「十兵衛両断」には、十兵衛の肉体を奪った柳三厳が創設した朝鮮柳生が登場します。

まぁ、世の中にはミャンマー柳生とかシベリア柳生とかもあるのだから、朝鮮柳生ぐらいは全然アリですわなっ！