零下140度の対決

昨日からゆるやかに続きます。


昭和41年から43年にかけて、青年劇画誌の創刊が相次ぎました。
プレイコミック」「ヤングコミック」「漫画アクション」など。


この中に「ビッグコミック」もあります。


そして、昭和47年には「ビッグコミックオリジナル」も創刊。

三丁目の夕日」に代表されるような、比較的アットホームな作風で知られていますね。

夕焼けの詩 51―三丁目の夕日 (ビッグコミックス)

夕焼けの詩 51―三丁目の夕日 (ビッグコミックス)

看板作品である「あぶさん」も、現在はとても健全な内容になっています。

あぶさん 86 (ビッグコミックス)

あぶさん 86 (ビッグコミックス)


しかし、創刊当時はけっこう劇画らしいアダルティで男っぽい内容を持っていました。

現在はよき家庭人である景浦も、独身時代には、子持ちの未亡人(しかもメンヘラ)と関係を持ったり、美人プロボウラーのポロリに遭遇したり、女性演歌歌手とのスキャンダルを報道されたりとけっこう浮名を流しています。


中でも飛びぬけて萌え指数が高いのが、第三巻に収録されているエピソード「雪ン娘」です。

あぶさん (3) (ビッグコミックス)

あぶさん (3) (ビッグコミックス)

故郷の新潟から帰阪する途中、雪で列車が立ち往生した景浦。

付近の村で一夜を明かすことになるのですが、その村の娘が、乗客の一人によって山中へ連れ出され、乱暴されそうになります。


間一髪のところで娘を助けた景浦ですが、吹雪に巻き込まれ、近くの小屋に避難します。
しかし、小屋の中には暖房も火の気もなく、娘は凍死寸前になります。


こうなると、やることは一つですね。
裸になって抱き合う、というそれなんてエロゲ?」的シチュエーション。


しかし、これは萌え漫画ではなく劇画ですので、あくまでハード&リアルでいきます。

冷え切った娘の体に体温を奪われ、意識を失いかける景浦。
「眠ったら死ぬぞ!」というのも定番ですね。


そんなとき、景浦の脳裏に現れ、励ます一人の人物がありました。
当時南海ホークスの捕手兼監督だった、野村克也氏です。


裸の少女を抱きしめながら、必死でノムさんの顔を思い浮かべる景浦安武なのでありました。


そんな景浦も、設定上は今年で還暦を迎えることになります。
こんな冒険も、もうおいそれとできないことでしょう。