ギャロウズ・ポール

かの宮崎勤被告の上告が棄却され、死刑が確定いたしました。
http://www.asahi.com/national/update/0117/TKY200601170259.html

あれからもう17年も経ったのですねぇ。
当時、おたくという言葉はまだ一般的でなく、わたしもこの事件で初めて知ったものでした。

おたくの本 (別冊宝島 104)

おたくの本 (別冊宝島 104)

よく知られていることですが、「おたく」という言葉は、1983年に「漫画ブリッコ」誌上のコラムで中森明夫氏が名付けたのが始まりと言われています。

これに対し、編集者だった大塚英志氏が「これほどあからさまに差別用語として作られた言葉も珍しい」とたいそう立腹され、中森氏のコラムを打ち切りにしたそうです。


「おたく」という言葉は、その誕生当時から「差別」と切り離せないものなんですね。


さてさて。


この人が逮捕された当時、その自室が公開されて世間に大きな衝撃を与えたものでした。
部屋を埋め尽くす六千本近いビデオをご記憶の方も多いでしょう。


エロ劇画「若奥様のナマ下着」をご記憶の方も多いことでしょう。

有名な話ですが、あの本は実は部屋の片隅に隠されていたのを取材陣が目に付くように引っ張り出してきたものです。

ロリコン犯罪者」というイメージと、大地翔エロ劇画というのはちょっと離れている気がするのですが。

まぁエロ本を読んだりホラービデオを観たりロリコンアニメを観たりするヤツは危険、という印象操作をすることによって、あの不可解な事件を何かのせいにしたかったんでしょう。
これは今でも同じで、嫌な事件が起こるたびに「フィギュアのせい」とか「ゲームのせい」とか「男女混合名簿のせい」とかいろんなことが言われています。


それにしても、ホラービデオ界はこの事件によって大きな打撃を受け、現在でもホラーファン(切株派)がさらされる偏見は、数あるおたくジャンルのうちでもトップクラスの激しいものとなっています。


ですが。

M/世界の、憂鬱な先端 (文春文庫)

M/世界の、憂鬱な先端 (文春文庫)

こちらの本によりますと、宮崎被告死刑囚が所持していたホラービデオは、5787本のうちわずかに39本でしかなかったんだそうです。



…たいしたことねぇじゃん。


「13金」と「エルム街の悪夢」と「ハロウィン」のシリーズ全部揃えただけで半分いっちゃうじゃん。

「ゾンビ」だけで3本持ってる*1オレなんてどーなるのよ。


そういえば、「映画秘宝」の連載で大槻ケンヂが女優のみゆと対談したときのこと。

飼育の部屋 終のすみか [DVD]

飼育の部屋 終のすみか [DVD]

「メッセージ性を持った映画監督の作品が好きです。宮崎駿さんとか」というみゆに対し、
「宮崎さんのメッセージ性って『オレは少女が好きだぁーっ!』ってことですか(笑)」
というオーケン

このリアクションに対し、みゆは
「…わたし、違うひとの名前言いました?」

と返していたのがとっても印象的だったのでした。

*1:レンタル落ち中古で買ったダリオ・アルジェント監修版とジョージ・A・ロメロのディレクターズ・カット版、あとはWOWOWでの録画。