ホラー映画ベスト10殺人事件
友成純一先生の『ホラー映画ベスト10殺人事件』を読みました。
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友成先生ご自身をモデルにしたホラー映画評論家・庄内良輔の周りで、彼がベスト10に挙げた映画と同じやり方の見立て殺人が連続して発生。動機はあってアリバイはなく、窮地に追い込まれるというもの。
ここで、庄内良輔が挙げているベスト10はこのようなもの。
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このほかには、庄内良輔が業界に入るきっかけとなった『死霊のはらわた』や、圧倒的な人気はあったものの批評的には評価が低かった『13日の金曜日』なんかも言及されています。
んで、作中での見立て殺人は、『悪魔のいけにえ』に見立てたハンマー撲殺に始まり、『スキャナーズ』に見立てた頭部爆破、『2000人の狂人』に見立てた樽ごろんごろーん、『悪魔のはらわた』に見立てた内臓びろんびろーんと続き、『ハロウィン』はちょっと苦しく絞殺で乗り切り、『地獄のモーテル』よろしくチェーンソーのチャンバラで終わり。
全編にわたり、スラップスティック的な描写で楽しく読めますが、映画評論業界の裏側を暴露するような底意地の悪いブラックユーモアも満載で、飽きさせない面白さでした。
ただこれ、六位で終わったからいいけど、『イレイザーヘッド』に見立てた殺人ってかなり苦しいんじゃないかと思います。
- Eraserhead - Just cut them up like regular chickens
ローストチキンに見立てて、焼けばいいんかなぁ。それも苦しいなぁ。
この小説は、1989年4月に刊行されたものの文庫化です。
その直後、同年の7月に東京・埼玉の幼女連続誘拐殺害事件で宮崎勤が逮捕され、ホラー映画はヒステリックなバッシングを受け、スプラッター映画のブームは強制的に終了を余儀なくされるのでした。
その前夜の、狂騒ぶりを伝える貴重な資料としても、一読の価値はあるといえるでしょう。