柳生大戦〜さらば愛しき上様〜

漫画・アニメには「ハーレムもの」というジャンルがありますね。

ラブひな(1) (講談社コミックス)

ラブひな(1) (講談社コミックス)

たくさん出てくる女性キャラがみんな主人公のことを好きだ、という設定を持ち、女の子のタイプを適当にバラけさせておけば、どれか一人ぐらいは萌えるだろうというコンセプトによる姑息な作品群を指すこのジャンルですが、この元祖といえる作品が単行本化されました。山田風太郎原作・せがわまさき作画による「Y十M柳生忍法帖〜」です
柳生忍法帖・上 (講談社ノベルス)

柳生忍法帖・上 (講談社ノベルス)

柳生忍法帖・下 (講談社ノベルス)

柳生忍法帖・下 (講談社ノベルス)

原作小説の方も、せがわまさきによるカバーのノベルズ版が出ています。

この小説、もともとは昭和30年代に地方紙に連載されたものでしたが、すでにハーレムものとして完成をみています。


会津藩のバカ殿が、自分を諌めた家老の一族を粛清したことからこの物語は始まります。

粛清された堀一族の生き残りである七人の美女が、柳生十兵衛のもとで修行を積み、宿敵である「会津七本槍」と呼ばれる七人の武芸の達人と戦うというストーリー。


ですが。


堀一族の美女たちはみんな十兵衛の強さと男らしさに惚れ込み、夫の仇を討つはずの未亡人が十兵衛にすがり付いてハァハァしたり、仇討ちの旅の道中だというのに「十兵衛さまは○○さんにばかり親切になさる」「十兵衛さま、わたしと一緒に」「いいえ、わたくしと」などといって仲間割れをしたりする始末。


十兵衛も困って、「おれはえこひいきなどせん!」と釈明。
なんとかして女たちのバランスを保ち、ハーレムエンドへのフラグを立てようとする柳生新陰流という爆笑シーンになってしまいました。


今度DVDが再発になる実写版では、十兵衛は小沢仁志だったのでそういうギャルゲー色はみじんも感じられませんでしたけどね。

せがわ版のキャラデザでゲーム化したら、単なる「サクラ大戦」になりそうだ

サクラ大戦V~さらば愛しき人よ~ ファイナルガイド (ファミ通の攻略本)

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