二宮ひかるファンのみなさんへ

2月に「ナイーヴ」のコンビニ本が出るということで、皆さん楽しみにされていることと思います。
そういうわけで、今日はこの作品を。

法田恵という漫画家は、分類からいえば純然たるエロ漫画の作家になるのかもしれませんが、女性をいたぶるような作品を描く作家の多い中で、この人の優しくのんびりした描写は好感が持てます。

で、この「こんすとらくたーず」は、「ヤングキング」の姉妹誌「キングダム」(昨年休刊)に連載された作品。主人公、梶は商社をリストラされ、まったく畑違いの建築設計事務所へ出向させられる。慣れない仕事に戸惑い、新しい職場で得た恋人の妙に醒めた性格に振り回されながらも、次第に自分の居場所を確立していく・・・

というような作品ですが、作者はこの作品について「ある、あまり好きでない同業者の作品との類似を指摘され、心外であった」というような発言をされていました。
で、この作品、二宮ファンの方ならすぐわかります。
・主人公とヒロインは第一話でイージーに関係を持つ。
・しかし、ヒロインはあまり主人公と親しげにしようとしない。
・ヒロインの名前は「麻衣」、しかも企画の時点では「麻衣子」の予定だった。

・・・「ナイーヴ」です、どう見ても。

他の作品を見ると、法田氏の絵柄は、小柄で目が大きくあどけない表情の、いわゆるマンガチックなものが多いのですが、この「こんすとらくたーず」のヒロインはスレンダーで切れ長の目を持ち、アンニュイな表情(死語)で、かなり異質なものになっています。
それが、連載が進むにつれてだんだん絵が従来の絵柄に近づいてゆき、キャラクターがどんどん背が低くなり、ヒロインの目もどんどん大きく、顔も子供っぽくなっていくのはまぁご愛嬌というか。「ジョジョの奇妙な冒険」第4部を思わせるものがありますな。

まぁとにかく、似たようなテーマやキャラクターを扱っても女性と男性ではまったく視点も違うし、作家の資質によってまったく異なる展開を見せるわけです。
その点でも一読の価値あり、と言っておきましょう。