射つな! アラシ

YouTube円谷プロ公式チャンネルに突如として投稿された、ウルトラマンが渋谷で怪獣と戦うフルCG動画が、特撮ファンの話題をさらっています。




こ、これは! 『パシフィック・リム』への日本からの回答というべきか、はたまた『エヴァンゲリオン』を通過したオタク業界の原点回帰とでもいうべきか。いずれにせよ、実にクオリティが高い。
従来はブーツ状になっていたウルトラマンの足も5本指になり、身体の表面はスーツというより生物の体表のような質感に。顔の表情も微妙に動いており、オリジナル撮影当初はマスクに口が動くギミックが搭載される予定だった、というマニア知識へのクスグリとともに、「宇宙人」らしい存在感をかもし出すことに成功しています。


戦っている怪獣は、『ウルトラマン』第36話「射つな! アラシ」に登場した、変身怪獣ザラガスを動物らしくリファインしたものですね。

ウルトラ怪獣500 04 ザラガス

ウルトラ怪獣500 04 ザラガス

攻撃を受ければ受けるほど強くなるという、全盛期のエル・サムライみたいな特異体質で科特隊を苦しめた怪獣でありました。


今回の映像が、新作につながるものかどうかはまだ情報が発表されていませんが、動画の終わりには「7.7」という数字が表示されています。
これは、円谷英二の誕生日である7月7日を思わせる数字です。来年は『ウルトラマン』本放送開始から50周年であり、また円谷英二の生誕115周年にもあたるので、初代ウルトラマンをリファインして何かやるのであれば、これ以上のタイミングはないでしょう。


現在はテレビ東京系で新作『ウルトラマンX』が放送されており、そちらもファンに好評を博していますので、ここはいっちょ、このクオリティで劇場映画を一本ぶち上げてもらいたいものですが、国内資本だけでは予算的に厳しいでしょうし、どう展開させるのか、しばらくは静かに見守るしかなさそうです。


ただ、いまの円谷プロはフィールズの子会社であり、ウルトラシリーズは続々とパチンコ台の素材になっているので(最新機種は、ウルトラセブンの息子でDAIGOが変身するという、筋金入りの世襲戦士ウルトラマンゼロが主役の『ウルトラバトル列伝』)、これが新作パチンコ台のプロモーションだったりしたら、特撮オタ勢の猛烈なブーイングを食らうことになるでしょう。それだけが心配であります。