天然パーマに悪い奴はいない

ニューヨークで外遊中の安倍総理は、21日(現地時間20日)にニューヨーク近代美術館で開催された「HeForShe」レセプションにて演説をしました。これは女優のエマ・ワトソンが親善大使を務める「UN Women」(United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women:ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関) の催しで、ここ最近は「SHINE!」の合言葉とともに「女性の活用」を推し進めている安倍総理が、自分の取り組みをアピールするのには絶好の機会といえるでしょう。


その動画と、スピーチの前文は首相官邸のサイトで見られます。


平成28年9月20日 HeForSheレセプション 安倍総理スピーチ | 平成28年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ 平成28年9月20日 HeForSheレセプション 安倍総理スピーチ | 平成28年 | 総理の演説・記者会見など | 記者会見 | 首相官邸ホームページ


これがなかなかね、面白い文章なんですよええ。

日本の経済界に、上場企業には少なくとも重役に1人の女性を入れるように要請しております。私はその際良くこう申し上げるのです。もし、リーマン・ブラザーズが、リーマン・ブラザーズ&シスターズだったら、破綻しなかったと思います。

なんかMC5の「Kick Out The Jams」みたいな語感ですが、そういう問題か? という疑問はどうしてもぬぐえません。リーマン・ブラザーズは兄弟3人で作ったからこの名前なんであって、別に男性しか入社できなかったわけじゃないでしょ。破綻したときのCFOは女性だったんだし。この理屈が成り立つんだったら、ショウ・ブラザーズもショウ・ブラザーズ&シスターズだったら、レイモンド・チョウが独立してゴールデン・ハーベストを設立することもなかった、ということになるんですかね?



カンフー映画ファンにはおなじみ、ショウ・ブラザーズとゴールデン・ハーベストのロゴ)

 私たちのチャレンジは、まだ道半ばです。エマ・ワトソン親善大使が色々なところで訴えられておられるように、いまだかつて男女平等を実現した国はありません。しかし、私は、「女性が輝く社会」を必ず実現させていきたいと考えています。
 日本は、いわゆる侍の国として、非常に保守的な国でもあります。しかし、日本が変われば世界が変わっていくと聞いています。皆さん、共に世界を変えていこうではありませんか。

総理大臣の任期延長が「無期限」まで視野に入れて検討されている情勢で、安倍さんがやたら「道半ば」を強調するのはなんともわかりやすい話ではありますが、それにしても「侍の国」とはよく言ったものです。

銀魂』第1話が、新八がこう語りながら始まったのはもう12年前のことですが、現実の日本はまだ「侍の国」と呼ばれているんですねえ。男女平等を実現した国はないそうですが、日本じゃあまだ四民平等も実現してないぜ!