ツッコミの功罪

さて、高畑裕太が強姦致傷で逮捕された件についてですけどね。


ハッキリ言ってあんまり興味をそそる話題でもないので、言及してなかったんですが、この記事を読んで気づいたことがありましてね。


高畑裕太容疑者の逮捕で梅沢富美男「橋本マナミが一番悪い」 ネット上で批判相次ぐ 高畑裕太容疑者の逮捕で梅沢富美男「橋本マナミが一番悪い」 ネット上で批判相次ぐ

俳優の高畑裕太容疑者(22)が8月23日に強姦致傷容疑で群馬県警に逮捕されたことについて、俳優の梅沢富美男(65)が8月25日放送のTOKYO MXバラいろダンディ」内で、共演したタレントの橋本マナミ(32)に対し「これ(事件)が出たとき、お前が一番悪いのかなと思ったよ」と発言した。これに対し「最低」「セクハラだ」「橋本は何も悪くない」と、ネット上で批判の声が相次いでいる。

高畑容疑者はかねてから、出演したテレビ番組などで「橋本マナミさんが好き」と公言。高畑容疑者は21日放送の日本テレビ系「行列のできる法律相談所」に出演したが、同番組にVTR出演した橋本は「(一緒に食事をしても)お酒がおいしくなさそう」「友達としてもないかな」「私は好きな人にしか触らせたくない」などとコメントしていた。

梅沢富美男「(橋本マナミが)一番悪いのかなと思った」

高畑容疑者の逮捕報道後、25日に放送された「バラいろダンディ」内で事件の話題が出ると、レギュラー出演者の橋本は「番組で共演した矢先だった。あまりにも、私もびっくりしちゃって…」と困惑した様子だった。

これに対し番組MCの梅沢は、「これ(事件の報道)が出たとき、お前(橋本)が一番悪いのかなと思ったよ」と発言。その上で、「(橋本が好きなタイプと公言する漫画家の)蛭子(能収)にヤラせるぐらいだったら、高畑にもヤラせてもよかんたんじゃないの」と発言。これに対し、橋本は「蛭子さんにヤラせてないです!」と強い口調で否定した。

梅沢富美男のこの発言は、ギャグとしても酷いものではありますが、テレビの世界ではこれが問題になることはないでしょう。バラエティ番組という場では、どんな酷い発言であっても、ツッコミが入ることによって、ひとつの「ボケ」として許容される、悪しき習慣があると思うんですよね。


これはテレビ番組の中での話ですが、本来なら漫才やコントやバラエティ番組の中でしか通用しないこのような論理が、一般社会にもここ30年ほどでぐっと浸透してきているように、オレは思うんですよね。おそらく漫才ブーム以降に顕著な傾向だと思うんですが。組織の中で上位の地位にある人間が、あり得ない暴言を吐いても、本人はそれを「ボケ」だと思ってるので、不快感を抱いた人間に対して「なんでツッコミを入れないんだ」と、むしろ自分が被害者みたいな意識になる、ってことが非常に多く見られないですか、昨今では。本人はむしろ歩み寄ってるつもりで、他人のことを揶揄したりする人っているじゃないですか、ねえ。



番組の中では橋本マナミがちゃんとツッコミを入れていますが、「とにかくボケさえすればツッコミを入れてもらえる」という発想は、甘えですよ甘え。でもおじさんにはありがちなことですから、もって他山の石とすべしでしょうなあ。