ベッドルーム・ロックシンガー
<AV出演強要>「奴隷のような状況」「刑事罰が必要」NPOが深刻な被害訴える (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース
伊藤和子弁護士とヒューマンライツナウが、AV出演を強要される女性の被害を訴える会見をしましたが、その反響は大きく、うちのブログで以前に取り上げたエントリにもアクセスが伸びてきています。
しかし、伊藤弁護士はネットではとにかく嫌われている人物なので、「そんなのウソに違いない」という反応も少なくないようで。
人権屋弁護士によるAV強要キャンペーンをあっさり否定するAV女優 - Togetterまとめ
しかしこのまとめは非常に恣意的なもので、タイトルもひどいし、まとめた張本人のこのツイートを見ればすぐその性根がわかります。
男にモテないから、ガリ勉して弁護士になって、人権振りかざしながらモテる女性の邪魔をするんですね。@rika_fujimoto 「全然お門違いなAV批判、やら、自分のキャリヤやら、ひけらかして威張ってたら、男の人にモテなくなるぞ🙈❤笑」
— CatNA (@CatNewsAgency) 2016年3月7日
アホか。こんな意識のやつにツイートを使われてる、かさいあみとか阿部乃みくとか初美沙希とかが気の毒になるわ!
(ちなみに初美沙希ってこういう人→【スカパー!アダルト放送大賞】初美沙希 悲願の女優賞受賞に「イヤァオ!」 )
とはいえ、現役の女優さんが反発するのも無理ないことではあります。自分たちまで否定されたような感じにはなるでしょうからね。
AVライターの文月みほという人も、自分がインタビューした女優さんたちの話を挙げて、反論しています。
ライター文月みほ「私はAVを1万本観た女です」 : AV女優たちがAVデビューに至った真の理由
でもね、これらのコメントは「業界の全部が悪質なわけではない」ということでしかなくて、「悪質な事例として挙げられたものは捏造である」ということではまったくないですからね。
「出演を強要された女性の訴えがある」に対して「強要されていない女性がこんなにいる」をぶつけても、反論にはなりません。
それに、AVサイトに載せるためのインタビューをもって「デビューに至った真の理由」と断言してしまうのも、明らかにダメな行為ですよ。
AV女優のインタビューというものは、それ自体がAVの世界を構成する重要な要素のひとつであり、そこで語られる内容は、性的魅力を強調する目的で誇張されているのが常です。
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いわば、プロレスラーのギミックと、リング上のマイクパフォーマンスを真に受けて、その人物像を語るような行為です。オカダ・カズチカは「特にありません」の人で、ヨシヒコは飯伏幸太を苦しめた強豪、ってことになっちゃう感じのアレです。「グレート・ガマは重油とコールタールを混ぜたプールで巨大ワニと戦った」みたいなアレです。
暗黙の了解で成り立っているものを、その前提を共有していない人たちに向けて真顔で開陳したところで、説得力があるはずはないですよね。
現役の女優さんたちは業界のことを悪く言うはずないけど、引退した人たちはけっこう「強要されていた」ということを言っています。麻美ゆまや穂花といった人気女優も、デビューは不本意なものだったと明かしています。
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AVを楽しむユーザーの立場としては、現場で女性が苦しむ構造はなくしてもらいたいですが、それを言ったらだいたいの女優が何らかのやむを得ない事情(金銭的なものもあるだろうし、もっと内面的なものもあるだろう)でやっている、という現実にぶち当たることになるからなあ。
安易に、どうこうしろということは言えない問題であります。
せめて、このエントリで紹介したように、女優と所属事務所が二人三脚で頑張っている人たちもいる、ということを忘れないようにしよう。
高田龍のすべて - 男の魂に火をつけろ!