大手事務所の現実

うちのブログでも何度か取り上げている、芸能事務所が所属女優に「断ると違約金が発生する」などと脅してアダルトビデオへの出演を強要する事例についてです。


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昨年、人権NGOヒューマンライツナウが「AV業界には出演強要が横行している」とする報告書を出し、これに対し現役女優やAV関係者、あと人権ヘイターのお歴々が猛反発いたしました。


全文表示 | 「AV出演強要」報告書に人気女優ら猛反発! 「偏りすぎ」「職業差別」指摘で人権団体と大論争に : J-CASTニュース 全文表示 | 「AV出演強要」報告書に人気女優ら猛反発! 「偏りすぎ」「職業差別」指摘で人権団体と大論争に : J-CASTニュース


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(タイトルの時点で馬脚を現しているアホまとめ)


「人権」と聞いただけで発作を起こす人たちはともかく、AV業界の人々による「悪質な業者を挙げて業界全体を潰しにかからないでほしい」「自分は楽しくやっているし、周囲にもそんな被害に遭っている人はいない」という訴えそのものは傾聴に値するでしょう。とはいえ、川奈まり子はいまでも女優時代の芸名で活動しているAV業界人であり(夫の溜池ゴローは自らの名を冠したメーカー代表であり、またSODの社外取締役でもある)、女優さんたちも利害関係者なので、彼女たちの意見が実態を正しく伝えているかどうか、ある程度は差っ引いて考える必要があります。



そんなところに、こんなニュースが舞い込んでまいりました。



女性をAVに出演させた疑い、プロダクション社長逮捕:朝日新聞デジタル 女性をAVに出演させた疑い、プロダクション社長逮捕:朝日新聞デジタル

 アダルトビデオ(AV)に出演させ、公衆道徳上、有害な業務に就かせたとして、警視庁が、AVプロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の50代の社長ら3人を労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)の疑いで逮捕したことが分かった。

 保安課によると、逮捕されたのは同社の社長のほか、40代の元社長、30代の社員の男。逮捕容疑は2013年9月ごろ、同社に所属する20代の女性をAV制作会社に派遣し、公衆衛生上、有害であるAV出演業務に就かせたというもの。

 女性は09年ごろ、「グラビアモデルの仕事ができる」と説明され、同社に入ったが、AVに出演する契約書に署名させられ、女性が契約の解除を求めたところ、「親に請求書を送る」などと言われ、解除に応じなかった。女性はAVに出演したが、警視庁に昨秋、被害を相談。同庁は今年5月下旬、同社やAVメーカーを家宅捜索し、捜査を進めていた。

 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は今年3月、AV出演をめぐる被害相談が3年ほどの間に72件寄せられたと発表。十分な説明なしにAVに出演する契約を結ばせ、断ろうとすると「違約金」を要求して出演を強要する事例が多いという。また、出演者が著作権などの権利を放棄する内容の契約が大半で、AVを制作するメーカーは自由に二次利用、三次利用ができ、販売が止められない構造になっているという。

マークスジャパンというのは業界では大手のプロダクションで、傘下のグループ会社も含めると、


などなど、多くの人気女優を抱える大所帯であります。

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AV業界の人たちは、わりと「大手はちゃんとやってるけど、一部のメーカーには悪い人もいる」みたいな論調に流れがちですが、そもそもヒューマンライツナウの伊藤和子弁護士が代理人をつとめた違約金訴訟は、業界大手メーカーから発売される予定だった作品をめぐるものだったし、今回の逮捕も、業界大手プロダクションの経営者たちが罪に問われています。

(なお、伊藤弁護士が代理人をつとめた事例と、今回マークスジャパンの社長たちが逮捕されたのは、別の事例である)


これまで、AV業界の人が逮捕される事例といえば、ゲリラ撮影による公然わいせつだとか、年齢を偽った18歳未満の女性を出演させたための児童福祉法違反だとか、そういうものが多かったのですが、今回はだいぶ毛色が違います。撮影と称して女優に重傷を負わせたバッキープロダクションの事例ともまた違う、AV業界の構造そのものが問われる事例だといえるでしょう。
おそらく、業界の人たちからは「AV業界潰しの圧力だ」といった反応も出てくると思いますが、AVファンとしては、とにかく今後の展開を見守りたいと思います。



あと、この件でマークスグループ所属の女優さんたちに、ツイッターで不躾なリプライを送ってるやつらがいて本当にバカだと思ったので、カレーをひとくち食べるたびに必ず溶けていないルーの塊に当たる呪いをかけておきました。