狼よ、故郷を見よ
実は先日、知り合いの女子から、
「男の人って、『おおかみこどもの雨と雪』のヒロインが理想の女性じゃないですか」
と言われて、激しく動揺したんです。
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んでね、その子が言うには、男の人たちはみんな母性というものを無邪気に信仰しすぎである、と。子どもを産んで「母」になったからといって、それまで「女の子」だった自分がいなくなるわけではない、と。あの映画では、ヒロインの花は、長女の雪を身ごもったそのときからパーフェクトな母親像そのものになっているけど、それを観た男の人から、そんな完璧な母性を求められるのはたまったものではない、と。ああいう映画が無批判に受け入れられている社会が、女性を抑圧し、その生きづらさを増している、と。
そうやってね、その場にいた女子数人で盛り上がって、男性社会への異議申し立てをしていたわけですよ。
うんうん、君の言うとおりだと思うよ、とぼくは言いましたよ。とはいえ、「オレを勝手にそっち側に組み込まんでくれんか」とは思いましたねえ。
「私の知ってる男の人たちは、みんな花に夢中だった」というんですけど、オレの観測範囲では、あのヒロインのあり方については「ないわー」と言ってる人が大半だったんですよね。男女を問わずに。
このブログであの映画を取り上げたときは、そっち方面からの批判はすっかり出尽くしていたので、仕方なく「不死身のはずの人狼があっさり死ぬのは納得いかない」というツッコミを入れたほどでした。
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でも、ぼくの知り合いの女子の観測範囲では、そのような批判は見当たらず、男性はみんな花の母性を賞賛していた、というのだから不思議な話です。
なぜそのような断絶が生じるのか、と考えを巡らせていたんですが、やっとひとつの結論に達しました。
つまりね、そういうジェンダー観のカテエ人でないと、女子からは「男性」と見なされないってことなんですよ!
(我ながら主語でけえな!)
ちょっと前には「少女漫画のイケメンはなぜ2人称『アンタ』なのか問題」が盛り上がったことがありましたが、その辺も関係しているような気がするなあ。
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