絶望の国の不幸な中年たち
軽井沢でスキーバスが道路から転落し、14人が亡くなった事故ですが、死亡した乗客(全員大学生)のプロフィールが発表されています。
このように、亡くなった方々のご冥福を祈る記事では、故人がいかに立派な人物だったかが強調されます。これは遺族も読む、一種の弔辞みたいなものだし、その配慮はあってしかるべきでしょう。
亡くなった運転手のことも、知人や遺族から話を聞いて、いい人だったと書かれています。
バス運転手2人も死亡、知人「何で事故になって…」:朝日新聞デジタル
それにしても、亡くなった若者たちは「一流大学に合格」「海外留学」「大手企業への就職内定」などなど輝かしい未来が強調され、お通夜に1200人が参列したという報道もありますが、いっぽうで亡くなった運転手は遺族が見つからず、葬儀どころか遺体の引き渡しすらできていないというから、まさに現代社会の縮図というところです。
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「大手不動産会社に内定していた4年生の通夜が営まれました」「亡くなったのは前途有望な大学生たちばかり」って報道に、大手企業に行くはずだったハイソサエティーな学生がローコスト中小企業ごときに殺されたーみたいな含みが聞こえたのはたぶん被害妄想か何か。
— ClaraKeene (@clarakeene) 2016, 1月 17
まぁオレも、この社会における立ち位置はどっちかといったら、間違いなく運転手側に属する人間なわけで、どうしてもこういう感じは持ってしまいますねえ。
あと、運転手の遺族が見つからない、という報道を受けてさっそく「運転していたのは朝鮮人だ」と言い出すネトウヨが出てくるのは、いつものことなのでもう慣れっこになりましたが、こういうことに慣れちゃいけないんだろうなあ。