コミック雑誌なんかいらない

はてなの人気者、フミコフミオさんのこちらの記事。


アダルト業界出身の人が人生経験豊富な感じで物事を語るのがマジでイミフ - Everything you've ever Dreamed アダルト業界出身の人が人生経験豊富な感じで物事を語るのがマジでイミフ - Everything you've ever Dreamed

有名人でも有名だと錯覚している人でも知人でもそうなんだけど、なぜ、風俗やアダルト業界を経た人は人生の全てを知ってるような、経験豊富な感じで物事を語るのか意味がわからないでいる。僕が「別にそのギョーカイ経てなくても…」と言い返したりすると「職業差別だ!」「職業に貴賎なし!」と火がついたように激怒するから厄介で無敵。被差別の立場から差別してないかいそれ。


これね、なんでそうなるのか本当にわからないんだったら、鈴木涼美の『「AV女優」の社会学』を読むといいですよ。

この本はまさに「なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか」を解き明かす本です。このブログでは何度も取り上げてますけど、ざっくり言うと、アダルト業界の、とくに女優は、事務所/制作会社/監督との面接や、雑誌などのインタビュー、そして撮影において自らの人物像を語ることを何度も求められるため、そこで要求される過剰なキャラクター性が内面化されていき、過剰な語り口が獲得されていく、ということです。要求される語りの内容に、「自分の性的経験」も含まれるので、それが強調されるのも自然なことではあります。


でも、たぶんフミコさんは本当に「意味がわからない」わけじゃなくて、「あいつらの態度が気に食わない」ってだけだから、読んでも何にもならなそうですけどね。


フミコさんの芸風として、「亡くなったお父さん以外の人間はみんな馬鹿で無能で、僕に迷惑をかける奴らばかりだ」という世界観が根底にあるじゃないですか。
今日のエントリも、「風俗やアダルトの人より、無能な上司や馬鹿な部下に囲まれた僕のほうが、ずっと苦労しているし人間の本質をよく知っている」というアピールがこもってるでしょ。フミコさんの文章は昔から好きで何年も読んできてるけど、最近はどうも「僕の周りは馬鹿ばかり」「人間はみんな僕に迷惑をかける」をやたら前面に押し出し過ぎている感じがして、正直、読むのがキツくなってきたんだよなぁ。たまには、楽しかった話とかないんですかフミコさん。