Keep Leftで 知らない町へ
<昨日より続く>
劇場版 BiSキャノンボール2014 × ハードコアチョコレート
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これは、2014年の夏に横浜アリーナで開催された、アイドルグループ「BiS」の解散コンサートの前日から終演後まで、『テレキャノ』の6人の監督たちが、BiSのメンバー6人にマンツーマンで密着ドキュメントを撮影する……と称して実は撮影内容によってポイントをつけるキャノンボールをやる、という映画です。
ぼくはアイドルに詳しくないので、BiSのことはぜんぜん知らないんですが、監督陣もそれは同じ(ビーバップみのるに至っては、最後まで「ビズ」と言い間違えていた)なので、見ていく過程でわかるようになっています。
いちおう紹介しておくと、こういう子たちです。
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密着撮影開始前に、まず監督陣がドラフト会議を行い、それぞれのカップリングを決めます。
- カンパニー松尾:ファーストサマーウイカ(AV好き)
- バクシーシ山下:カミヤサキ(男性不信)
- タートル今田:プー・ルイ(リーダー、ムチムチ度が高い)
- 嵐山みちる:ヒラノノゾミ(ジャイ子似)
- 梁井一:コショージメグミ(金髪ショート)
- ビーバップみのる:テンテンコ(身長142cm)
この組み合わせで、まず初日は都内の集合場所からリハーサルを行う横浜アリーナまで、それぞれの運転する車で向かいます。みのる監督だけ免許を持ってないので、ひと組だけ電車移動となります。この車内で、まず「電話番号を聞き出す」「肩にタッチする」などの軽い行動でポイントを稼いでいき、着順と合わせて競っていくわけです。
そして、リハーサルを終えてからはそれぞれホテルまで送り、そこでひと晩ともに過ごしながら撮影していきます。「ハメ撮りは100点」というルールはありますが、もちろんそれは無理なので、「靴下の匂いを嗅いだら2点」「寝顔を撮れたら2点」「寝起きを撮れたら1点」「オナラを撮れたら2点」などの細かなポイントを稼ぐ姿が、実に可笑しい。
……という感じで映画は進んでいくわけですが、ビーバップみのるがホテルの部屋である暴挙に及んだことにより、雲ゆきは一挙に怪しくなっていきます。
ここから先はネタバレ禁止の規定にひっかかるのでくわしくは書きませんが、何といいますかね。
『テレクラキャノンボール2013』がヒットしたことで、われわれエロサブカルおじさんも、ちょっと調子に乗ってるところがあるじゃないですか。こういうのもアリなんだ、みたいな感じになっているといいますかね。あの映画には賛否両論あるにせよ、わざわざ観にくる人ってのはみんなAVにあるていど寛容というか、はじめから興味を持っている人なわけじゃないですか。
そこに、AVファン特有の歪んだ常識を持っていない人たちから「あんたらおかしいよ」と、冷や水をぶっかけるような、ツッコミを入れられた感じがあるといいますかね。
前半では、とくにみのるのいつもながらの無理矢理な屁理屈に爆笑していた観客(この日は、この前に『テレクラキャノンボール』も上映されていたので、みのるが『北の国から』の話をはじめた瞬間に大爆笑が発生した)も、後半になると「どうすればいいんだろう」という戸惑いを覚えていくことになるます。それは作中で監督たちが感じる居心地の悪さと同じで、カンパニー松尾監督が場内にいるということもあって、不思議な一体感が生じるので、これはやはり劇場で見るのがいちばんだという結論に達しました。4月24日からはTSUTAYAでレンタルも開始され、夏には6時間以上の完全版ソフトも出るそうですけどね。
あとは、ネタバレにならない範囲で、細かく印象に残ったところを。
- ビーバップみのるの、まったく意味のない理屈を繰り返し力強く断言して、自分のペースに引きずり込むやり方は、恋愛工学とかいってカッコつけてるやつらの、本当の姿を暴き出している感じがする
- ちなみに、カンパニー松尾がトークショーで語ったところによると、みのるは偉人の言葉や名作文学の一節を引用しながら相手を煙に巻くのだが、それらの本は一行も読んだことがなく、テレビで紹介されたのを見て覚えたにすぎないのだそうだ
- タートル今田は、プー・ルイを「いちばん人妻っぽいから」という理由でパートナーに指名したのだが、実際、彼女にはアイドルらしからぬ妙な落ち着きというか貫録があり、今田監督の運転するハマジム社有のアルファードの、助手席に座っている姿を見ると、この人がよく撮っている不倫旅行ものにしか見えなかった
- あのアルファードには、今田監督の「今夜、あなたの妻が不倫します」シリーズなどで多くの女優や人妻が乗ってきたのだが、そこに現役アイドルが乗っている姿は何ともいえない味わいがあった。ちなみに、多くの女優を助手席に乗せてきたあの車だが、自分で運転した女優はたぶん春原未来ぐらいであろう
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- ホテルの部屋に泊まった朝、目を覚ましたプー・ルイに今田監督が添い寝して「おはよう」と語りかけるあたりのまったりしたスイートな空気感は、タートル今田監督がいつもの密着ハメ撮りものでやるのとまったく同じで、ハラハラした
- そもそも、彼らが泊まったのはみなとみらいの観覧車が窓から見えるホテルで、アダルトビデオで非常によく見かけるロケーションなのであった
- オレは以前からBiSとでんぱ組.incの区別がいまいちついてないのだが、それはコショージメグミが金髪のショートボブで、最上もがにとてもよく似ているからである。で、今回は梁井一が彼女を水着にする場面があるのだが、水着になったときのスタイルの良さまで、最上もがにそっくりであった。ちなみに、コショージメグミのほうがやや筋肉質である
こんな感じで、細かい見どころはけっこういっぱいあります。
上映後には、カンパニー松尾のトークショーもあり、次回の『テレクラキャノンボール』の構想も披露されたのですが、これもネタバレを避けるために伏せておきます。
こうして三本立て上映が終わり、時間はもう夜の11時でした。徒歩10分ぐらいのホテルに戻り、翌朝は7時ごろに目が覚めたのですが、
爽やかな日曜の朝! 窓の外には閑静な墓地が広がるホテルより、おはようございます(^o^) pic.twitter.com/CpdlrmyBmq
— ワッシュ (@washburn1975) 2015, 4月 18
ホテルの隣はお寺で、窓の下は墓地というなかなかいかしたロケーションなのでありました。
(オレは怪談関係に多少の関わりがあるけど、霊魂の存在をまったく信じていないので、墓地を見下ろす部屋であろうとまったく気にならない)
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というわけで、帰りは酒田港のレストランで海鮮丼の朝食をいただき、荒涼とした月山道路ではなく最上川沿いを遡るルートで、仙台まで帰ったのでありました。
帰りの車内BGMは、『テレクラキャノンボール』の主題歌である、Weekday Sleepersの「Keep Left」。
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