K.K.K.(国技・強化・協会)

お帰りなさい朝青龍

お帰りなさい朝青龍

ドルジを追放してますます意気軒昂な日本相撲協会が、今度はこんな通達を出したとか。


http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20100223-OYT1T01095.htm

帰化でもダメ、外国力士「1部屋1人」徹底通達

 日本相撲協会は23日の理事会と評議員会で、外国人力士の採用は「1部屋1人」とする申し合わせを徹底させることを決め、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が各師匠に通達した。


 最近、幕下以下の外国人力士に日本国籍を取得させ、空いた枠を使って新たな外国人力士を入門させる例が増えており、事実上の「抜け道」に制限を加える狙いがある。

 2002年から適用されている申し合わせ事項では、「外国人力士が在籍している部屋は当該力士が引退するまでは新たに採用できない」と定めている。今後は、外国人力士が日本に帰化した場合でも、原則、この規定が厳格に適用される。

まぁ、せいいっぱい協会に好意的に解釈するならば、「部屋の都合のために、若者の国籍を変えさせちゃダメよ♪」ってことなのかもしれませんけど、それにしてもこれはレイシズム以外の何ものとも思えないなぁ。


そもそも、武蔵川理事長ご自身が「日本に帰化した元在日韓国人」と言われている(本人が公表しているわけではない)人なのを考えると、このニュースはますます味わい深いですね。


元ニュースのブコメでは、b:id:y_arimさんが

ところで力道山って在日力士だったよね?

と書かれていますが、力道山が入門したのは戦前のことなので朝鮮は日本領であり、番付表にも「力道山信洛:朝鮮出身」と記されておりました。当時は朝鮮出身の力士は珍しくなく、力道山もこの時点では出自を隠してはいなかったようです。


その後、終戦によって「朝鮮籍」とされた在日コリアンは、本国の政情不安のため国籍も一定しませんでした。大韓民国政府が樹立した際、「韓国籍」にした人も多くいましたが、統一されていない韓国政府を承認することをよしとせず、「朝鮮籍」のままにした人も少なくありません(「朝鮮籍」は「北朝鮮籍」ではない、ということを知らない人は意外に多い)。


で、力道山はどうしたかというと、1950年に力士を廃業したころ、彼をスカウトした長崎県の実業家、百田巳之吉の養子として新たな戸籍を作り、日本人・百田光浩として生まれ変わっています。

もう一人の力道山 (小学館文庫)

もう一人の力道山 (小学館文庫)

プロレス入りしてからは「日本人」として振る舞い、彼が朝鮮出身であることは極秘とされましたが、関係者の間では公然の秘密であり、大木金太郎のように韓国からやってきた弟子もいました(ただし、大木は力道山朝鮮人だとは知らなかったという)。その後もプロレス界には在日コリアンが少なくなく、長州力前田日明天山広吉ら有名レスラーも韓国にルーツを持っています。
日本魂

日本魂

それにくらべて、相撲協会のなんと偏狭なこと。ハワイ人横綱がやっといなくなったと思ったら今度はモンゴル人が横綱になり、ルックス的には日本人に近くなったもののまだ「日本人横綱がいないッ! けしからんッッ!」と不満を持ってるんでしょうかね。そのうち、念願の由緒正しい士族出身の日本人横綱が誕生したものの、先祖が実は朝鮮人の影武者だとわかって永久追放、なんてことにもなったりしてね。
徳川家康 トクチョンカガン 上

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