消されたルパン

清水潔のノンフィクション『殺人犯はそこにいる』がAmazonから届いたッス。

かつて桶川ストーカー殺人事件の真相を探り出し、警察による隠ぺいを白日のもとにさらした伝説の記者が、2007年から、当時は忘れ去られていた足利事件に疑問を持ち、追跡取材をしていくという本です。文藝春秋に連載された記事でも触れていた、真犯人「ルパン」(ルパン三世に似た男)への強烈なメッセージも入っていて、かなり刺激的です。いつもながら、読んでいると銭形警部の姿を連想してしまいます。


ちなみに、この本の題材となっている北関東連続幼女誘拐殺人事件では、容疑者はいずれもパチンコ店で子どもをさらっていますが、今のパチンコ店は子ども連れでの入店を禁止(駐車場へ入ることも禁止)しているので、同じ手口の事件は今後は起こりにくいと思います。


あと、真犯人「ルパン」は週末ごとにパチンコで遊ぶ男だということですが、『ルパン三世』は『エヴァンゲリオン』や『北斗の拳』『牙狼』などと並ぶパチンコ台の看板原作であり、現在はシリーズ第8弾「消されたルパン」が全国のホールで大人気稼働中であります。この台は、ICPOがルパン一味の記録を抹消し、彼らの事件を無視する中、銭形ひとりだけがルパン一味を追うというストーリー。それを踏まえて、清水記者が真犯人「ルパン」の存在をいくら警察に訴えても無視されるのを読むというのも味わい深い。