女子高生さんサイドにも問題がある

東京の三鷹市で、18歳の女子高生が刺殺される事件がありました。

朝日新聞デジタル:高3女子が刺され死亡 当日朝、つきまとい相談 東京 朝日新聞デジタル:高3女子が刺され死亡 当日朝、つきまとい相談 東京
逮捕された容疑者は被害者の元交際相手で、別れ話のもつれによりストーカー行為をはたらいていたとのこと。被害者が警察に相談し、警察から容疑者の携帯電話に連絡した(出なかったので留守電に「警察に出頭しろ」と吹き込んだそうな)その日の凶行でした。

1999年の栃木リンチ殺人事件では、被害者を連れまわしていた容疑者たちと電話がつながったとき、警察官が「警察だ」と名乗ったことが、殺害のきっかけになったと指摘されています。今回の件もそれに近いものを感じますが、そもそもストーカー殺人はきわめて防止の困難な犯罪であり、むやみに警察の対応を批判することも適切とはいえないかもしれません。


だからといって、被害者を批難するような風潮には絶対に与したくないですけどね。


この容疑者は、被害者との交際中に撮影した性行為の動画を、アダルトサイトにアップロードしています。
別れた交際相手の裸の写真や、わいせつ動画をネットに流出させる行為は、アメリカでは「リベンジ・ポルノ」と呼ばれ、社会問題のひとつになっています。


CNN.co.jp : 元恋人による「リベンジ・ポルノ」に法規制の動き CNN.co.jp : 元恋人による「リベンジ・ポルノ」に法規制の動き


「リベンジ・ポルノ」という言葉を聞いて、最初は『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』とか『ラストハウス・オン・ザ・レフト』みたいな映画を連想しましたが、これらは「レイプ・リベンジ・ムービー」というジャンルに入ります。誤解なきよう。

(ちなみにどちらも70年代作品のリメイク。時代の変化によるポルノ要素の後退&バイオレンス度の上昇についてはこちらのレビューを参照→レイプリベンジムービーの変遷と未来 - NO ZOMBIE , NO LIFE レイプリベンジムービーの変遷と未来 - NO ZOMBIE , NO LIFE


しかし、この非道な行為についても、「撮らせてしまう女にも落ち度がある」という声が少なくありません。
わざわざアクセスを増やしたくないので紹介はしませんが、2chまとめサイトをいくつか巡回すれば被害者叩きの記事はゲップが出るほど見つかるし(中には、日本国籍のハーフと発表されている容疑者を「在日韓国人」と強弁する記事もいくつかある)、悪質さでは2chにも負けないであろうYahoo!コメントにも、ひどいのがいくつも見られます。一例をあげますと、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131009-00000123-jij-soci

この事件は通り魔ではない。
火のない(非のない)ところに
煙は立たない(事件は起きない)。
FBなんかで知り合い、自分の写真を安易に送り
得体のしれないターバンを巻いた男と付き合った。
という非がある。

そんな非とやらで殺されてたまるか!
ミソジニーレイシズムの煮詰まった、典型的「ひどいヤフコメ」の逸品です。いいかげんにヤフーはコメント機能を廃止すべきだと思うなあ。百害あって一利なしですよ。


まぁヤフコメだの2ちゃんだのは、社会の掃き溜めみたいなところですから無視すべきかもしれませんが、有名人もおかしなことを言っています。

最近はすっかり保守派論客扱いとなった、エジプト人タレントのフィフィ。今回の事件を受けて、ツイッターでこう発言しています。



いやいやフィフィさんよ、女性が被害者になるといつもバッシングが起こってるじゃないの。

この世の偽善 人生の基本を忘れた日本人

この世の偽善 人生の基本を忘れた日本人


2008年、沖縄で米兵が14歳の女子中学生を暴行し、大きな問題になりました。
(余談だが、加害者の兵士は基地の外に住んでいたため、当時のニュース記事で「基地外」という単語が頻出したのが味わい深かった)
ここで大活躍したのが、もと産経新聞政治部長で、当時は論説委員を務めていた花岡信昭ワシントンポストに「従軍慰安婦は性奴隷ではない」とする意見広告を出したり、雑誌記事で社民党土井たか子もと党首を「在日朝鮮人で本名は李高順」と書いたり、アパグループの「真の近現代史観論文」コンテストで田母神俊雄のテキストを最優秀賞に推したり、といった実績でたいへん名高い人物であり、いくつもの著書があります。

保守の劣化はなぜ起きたのか

保守の劣化はなぜ起きたのか

(↑なんという自虐史観のタイトルだ)


米軍基地の存在自体が批判的に論じられていた中で、花岡信昭は「事件を思想的に利用する反基地勢力はけしからん」「男についていった女子のしつけにも問題がある」と独自の論理を展開し、保守界隈では大いなる歓迎をもって迎えられたものでありました。
当時の花岡ブログがこちら。


沖縄事件とネット社会:イザ! 沖縄事件とネット社会:イザ!


14歳少女に振り回された?:イザ! 14歳少女に振り回された?:イザ!


フィフィもこの路線で生きていくのなら、偉大なる先達の存在はちゃんと認識しておくべきだと思いますね!


ちなみに花岡信昭氏は、2011年に心筋梗塞で惜しまれつつ亡くなりましたので、今回の事件についての意見が聞けないのは残念なところであります。