So Fuckin’ What ?

去年、メガデスのデイヴ・ムステインが「オバマ大統領はアメリカ生まれじゃない」と発言して、メタル系サイトが、オバマは「メタリカ初期のリフはデイヴが書いてない」と返すべきだ、とジョークを載せたことがありました。

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ロッキングオンが海外サイトのジョーク記事に釣られる…「メタラーのオバマ大統領がメガデスに反論」 | 250円棚
（ちなみに、ロッキングオンは事実だと誤解して報じ、のちに記事を修正した）
一説には「オバマ大統領はメタリカのファンだ」とも言われていますが、たぶんそれもジョークでしょう。

んで。

アメリカの保守系シンクタンク、ハドソン研究所からハーマン・カーン賞を授与された我らが安倍晋三首相は、ニューヨークにあるハドソン研究所で演説をしました。ここで「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と発言し、注目を集めています。

安倍首相 中国の右翼批判に「呼びたいならどうぞ」と逆批判、ＮＹで演説、＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
これは中国からの批判に対するカウンターですが、外国はともかく、国内からもその姿勢を危惧する声がたくさん挙がっているのに「呼びたければどうぞ」ってのはどうなんですかね。かつて西武ライオンズが常勝集団と呼ばれていた1989年、僅差で優勝を逃した森祇晶監督が、堤義明オーナー（当時）から「来年もやりたければどうぞ」と言われた故事を思い出しますね。

森・西武ライオンズ 9年間の黄金伝説~「常勝レオ軍団」の軌跡 (TWJ books)

もちろん、この発言には各野党やマスコミ各社の批判が集まっていますが、まぁそんなことはどうでもよろしい。

この日、安倍首相はニューヨークの証券取引所でも演説を行い、映画『ウォール街』でマイケル・ダグラスが演じたゴードン・ゲッコーを引き合いに出しながら、強い日本経済の復活と日米同盟の強化、ならびに東京オリンピックに向けた意気込みを語りました。

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演説の全文はこちら。

http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0925nyspeech.html

世界経済を動かす「ウォール街」。この名前を聞くと、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーを思い出します。

　ゴードン・ゲッコー風に申し上げれば、世界経済回復のためには、３語で十分です。

　「Buy my Abenomics」

　ウォール街の皆様は、常に世界の半歩先を行く。ですから、今がチャンスです。

いや、ゴードンはインサイダー取引で逮捕される人じゃないか。
ゴードン・ゲッコーは不正な取引を行い、企業の財産や労働者の年金を私物化しようとした人物ですよ。演説で引き合いに出すのはどうかと思いますけどねぇ。ウォール街の人々に「お前らああいう金の亡者なんだろ？」って言ってるのと同じじゃないの？　まぁゴードンに憧れてウォール街に入った人は少なくないだろうけど。
あと、あの映画の監督が、反権力・反体制の人であるオリバー・ストーンだってことも忘れてるんじゃないのかな。

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「３語で充分」ってのも、「一文字でいえば『責任』」の安倍さんが言ってるのかと思うと味わい深い。

まぁそれも別によろしい。

問題はここですよ。

　さて、明日は、マリアノ・リベラ投手にとって、ヤンキースタジアムでの最終試合です。ニューヨーク市民にとって、永遠に記憶に残るこの日に、同じ場所で時間を共有できることは、大変幸せなことです。
　切れのするどいカットボール。４３歳になる今でも、あの一球だけで、どんなバッターも手が出ない。世界一のクローザーとは、そういうものなのだと思います。
　日本が復活するシナリオも、奇を衒う必要はまったくありません。リベラのカットボールのように、日本が本来持つポテンシャルを、思う存分発揮しさえすれば、復活できる。そう考えています。

　４９年前の東京オリンピックは、日本に高度成長時代をもたらしました。日本は、再び、７年後に向けて、大いなる高揚感の中にあります。あたかもそれは、ヤンキースタジアムにメタリカの「Enter Sandman」が鳴り響くがごとくです。もう結果は明らかです。
　偉大なるクローザー、リベラ投手の長年の活躍に最大の敬意を表しつつ、私のスピーチをおわりたいと思います。

ハァ？（困惑）

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前の木曜日、テレ朝の「アメトーーク」で「ハードロック芸人」特集をやり、サンドウィッチマンの富澤たけしがメタリカのジェイムズ・ヘットフィールドに扮していましたが、安倍首相も、OPP芸人のみならずハードロック芸人でもあった可能性が微レ存……？

メタリカも決して体制に従順なアーティストではなく、“ONE”のPVでは強烈な反戦映画『ジョニーは戦場へ行った』の映像を差し込んだりしているんですけどねぇ。日本で「国民的」とかいわれるような人たちとは違うのよ。

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まぁそのメタリカも、あの曲をレコーディングしていたときは、新加入したばかりのジェイソン・ニューステッドにひどい仕打ちをさんざんやってましたけど。

And Justice for All

これらのスピーチは、元日経ビジネス記者の内閣審議官、谷口智彦とかいう人が原稿を書いているそうですが、エンターテインメントの業界についてはやや知識が浅いようだなぁ。売れたかどうかにしか興味ないタイプの人なんだろうなぁ。

金が通貨になる (幻冬舎新書)

アベノミクスについて、メタリカ流に申し上げるなら３語で充分です。

So Fuckin' What?