日本ボクシングのエース

なんか最近はボクシングの話ばっかり書いてる気もしますが。


今日は大阪のボディメーカーコロシアムで、井岡一翔&宮崎亮のダブル世界戦がありました。井岡ジムとTBSの蜜月を象徴するようなイベントではありますが、その結果はといいますと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130911-00000048-dal-fight

ミニマム級宮崎、暫定王者に流血僅差判定勝ち…王座返上で2階級挑戦明言

WBA世界ミニマム級王座統一戦」(11日、ボディメーカーコロシアム

 ボクシングのWBA世界ミニマム級王座統一戦が行われ、正規王者・宮崎亮(井岡)が2-0の判定で、暫定王者で1位のヘスス・シルベストレ(メキシコ)を下し、2度目の防衛に成功するとともに王座を統一した。

 5月の初防衛戦に勝利後、階級を上げるプランも浮上した宮崎だが、自ら望んで暫定王者との一戦に臨んだ。試合は強打のシルベストレに序盤から苦戦。2回に左まぶたを、10回に右目尻を偶然のバッティングでカットしたことも重なり、両目を腫らし、大流血の戦いとなった。しかし、最後まで退かずにショートレンジで打ち合い、僅差の判定をものにした。スコアは114対114、115対114、115対113。

 王座統一を果たした宮崎は「(シルベストレは)うまさは感じなかったけど、僕より若くて勢いはあった。根性だけは負けたくなかった。ミニマム級に悔いはない。複数階級を狙います」と王座を返上し、2階級制覇を目指すことを誓った。昨年7月に暫定王座を獲得したシルベストレは2度目の防衛に失敗した。

 宮崎の戦績は23戦20勝(11KO)3分け。シルベストレは31戦27勝(20KO)4敗。

宮崎とシルベストレは、どちらも前傾姿勢で前に出るスタイルのためバッティングが多く、宮崎は両まぶたをカット、シルベストレも頭から流血する凄惨な試合になりました。とはいえ荒れることはなく、お互いにスポーツマンシップを尊重した姿勢に好感が持てます。
終盤に両目がほとんどふさがった宮崎は、強打を受けてダウン寸前に追い込まれながらも必死で打ち返し、最後までなんとか持ちこたえたという印象です。ここでダウンしていたら判定はシルベストレのものになっていましたから、この粘りで王座を守ったというところですね。でも判定は本当に微妙なところで、ホームタウン・ディシジョンと言われても仕方ないでしょう。宮崎は王座返上を表明していますが、ここはダイレクトリマッチをやってほしいなぁ。



んで、井岡はといいますと。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130911-00000060-dal-fight

井岡完勝!鮮やか左フックで7回KO…世界戦3連続KOで2度目防衛

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ」(11日、ボディメーカーコロシアム

 ボクシングのWBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔(井岡)が、7回2分17秒KOで、同級5位の挑戦者クワンタイ・シスモーゼン(タイ)を下し、2度目の防衛に成功した。

 井岡は元WBA世界ミニマム級王者のクワンタイを序盤から圧倒。的確な左ジャブでリズムを築き、7回にラッシュ。最後は左ボディーから左フックを顔面につなぎ、相手にテンカウントを聞かせた。

 ライトフライ級に上げてから世界戦で3連続KO勝利となった井岡は「3連続KOを意識していました。“ボクシング=(イコール)KO”。気持ちが入っていました」と納得の表情。「ライトフライ級に僕がいる限り王座のスペースは空いていない。誰にも譲らない。僕の替わりは誰もいない。僕にしかできないこと、僕にしかできないボクシングをこれからもしていきます」と現役世界王者10人を抱える日本ボクシング界のトップに立つ自覚を示した。

 井岡の通算戦績は13戦13勝(9KO)。クワンタイは46戦43勝(22KO)2敗1分け。

井岡のファイトは素晴らしくスマートで、教科書どおりの理想的なボクシングといえるでしょう。無駄な動きがなく、的確に急所をとらえるパンチ。7ラウンドの前半で見せたラッシュも美しく、わずか9秒で17発ものパンチを叩き込みながら、まったく体勢が乱れない。圧巻のラッシュでした。
そしてフィニッシュも、左のボディを効かせて、体勢が崩れたクワンタイのテンプルにダメ押しの左フックを決めてノックアウト。エクセレントな幕切れです。実質的に左ボディでもう決まっていましたが、ここですぐに顔面へのフックを出せるアグレッシブさが、今後のさらなる飛躍を期待させます。
これまでの試合に比べ、今日の井岡はより攻撃的なスタイルを前面に出しており、群雄割拠のボクシング界で存在感を示そうという意識が感じられました。山中慎介村田諒太らに負けまいとする、強烈な気迫です。やはりボクシングは、積極的に倒しにいくからこそ美しいんですよ。



ちなみに、今日の実況では、伊藤隆佑アナウンサーが「日本のエース、井岡!」と連呼してました。TBS的には、日テレの山中やテレ東の内山高志、フジの村田諒太への対抗意識があるんでしょうけど、大丈夫なんですかね。ほらTBSでは、どっかの一家が全員王者とか名乗ってるじゃないですか。

我が一家全員死刑

我が一家全員死刑

それにしても、伊藤アナはホントにダメアナウンサーですね。井岡が右ストレートを出すたびに「ノーモーション!」って連呼するんですけど、それノーモーションじゃねえから。普通の右ストレートだから。そのうえ、フィニッシュの左フックを「アゴをとらえました!」とか言っちゃう。どう見てもテンプルだっただろ!
目の前で起こったことを正しく伝えられないアナウンサーに、何の価値があるんですかね。


というわけで、TBSはともかく、井岡にはさらなる飛躍を期待します。WBAスーパー王者のローマン・ゴンサレスとは、いちど対戦予定が流れているので今度こそ実現してほしいですが、ロマゴンは帝拳ジム所属だからなぁ。井岡とTBSが強豪から逃げている、という見方もありますが、そんな単純な話じゃないということだけ指摘しておいて今日のエントリをシメておきます。