押忍!!麻雀部

たぶんこのブログで1回も書いてないと思うんだけど、オレ、昔ヤングジャンプに連載してた『押忍!!空手部』が大好きだったんだよね。当時のヤングジャンプってわりとシュッとした漫画が多かったんだけど、『押忍!!空手部』はどおくまん直系のクエックエックエ路線で、関西弁で敵を罵りながら必殺技の爆裂発勁を繰り出す、大雑把なバトルが味わい深かったんだよね。


そんな『押忍!!空手部』と主人公の高木さんが、麻雀雑誌で復活したんだよね。

近代麻雀オリジナル」先月号と今月号に、前後篇で掲載された『押忍!!麻雀部』。原作の高校が大学になり、主人公の名前が「高木義志(よしゆき)」から「高木義成」に変わった以外は昔のまま。狂言回しというか物語の語り手となる松下も昔のまま。


んで、麻雀部に入部して高木先輩にシゴかれていた(なぜ麻雀部でシゴくのか、などというツッコミをする人には漫画の面白さは永遠に理解できない)松下が、街の雀荘で昔いじめられていた相手たちと再会して、「今なら勝てる」と勝負を挑むもののイカサマで負け、抗議したら暴力でボコボコにされるのね。そんで、「負けを認めて金を払え」と脅されているところに、自前の全自動雀卓をかついだ高木さんがやってきたのね。ここまで前篇、完全に昔のまま。


そんで後篇になって、今度は高木さんが勝負するんだけど、やっぱり敵のイカサマでボコボコにされるのね。高木さんは「イカサマはその瞬間を押さえなければイカサマにはならんのや」と、麻雀漫画では常識の対応をするんだけど、このイカサマがまた低レベルなんだ。手牌を山に戻してわざと小牌になりながらツモの流れを変えるとか、『アカギ』だったら鼻で笑われるレベル。

アカギ―闇に降り立った天才 (26) (近代麻雀コミックス)

アカギ―闇に降り立った天才 (26) (近代麻雀コミックス)

(ちなみに、ここ最近のアカギも物凄いことになっている。もう原恵一郎に描かせたほうがいいだろアレ)


敵のイカサマでボッコボコにやられた高木さんなんだけど、オーラスでついに本気を出すのね。最初のツモで、牌を握って気合を込めるとバックに雷雲が現れて(ゴメン、記憶だけで書いてるから違うかもしれない。とにかくそういう感じ)大ゴマで高木さんが「これが爆裂龍天昇発勁ヅモじゃあーっ!」みたいなことを叫んで(なにしろ勢いだけなので細部は不正確ですが、なんとなくそんな感じ)地和字一色大三元四暗刻単騎の五倍役満をアガるのね。


これで大逆転勝利なんだけど、当然、敵は納得せずに「イカサマだ!」って殴りかかってくるのね。そいつに、高木さんは例によって爆裂発勁を食らわせてノックアウトするのね。最後はけっきょく殴り合いかよ!と思わなくもないけどまぁ高木さんなんだから当然だよね。


咲 Saki (11) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (11) (ヤングガンガンコミックス)

最近は、「麻雀部」というと『咲-Saki-』が萌えキャラと丁寧な麻雀描写(それに加えて奇乳描写)で人気を博しているけど、それと対極にある、暴力的で下品で粗野なちょんわちょんわ路線の男が雑な麻雀で戦う『押忍!!麻雀部』を押し出してくるあたりは、さすがに麻雀劇画総本山の竹書房だと思ったね。人気が出たら連載になるらしいけど、大丈夫なのかね。結局はバトル漫画になるんだろうなあと思ったんだよね。