手塚治虫と6人の孫悟空

ブラック・ジャック創作秘話』3巻を買って読んだッス。

2巻ではほぼ『ブラック・ジャック』と関係なくなりましたが、3巻では半分くらいがBJ関連の話です。連載を立ち上げたときのエピソードでは、新キャラとして、後に壁村耐三の後任編集長となる阿久津邦彦が登場します。手塚担当ではなく、鴨川つばめ吾妻ひでお担当だったのでこれまでは絡んでこなかったのですが、BJ連載開始にあたって「話が違う。少年誌初の医者マンガはオレがやるはずだった」と壁村編集長に楯突く、凶悪なやり手編集者として。

こんな顔した社会人やべえだろ。


吾妻ひでおの『失踪日記』に出てくる、『ふたりと5人』のネームを勝手に入れる編集者がこの阿久津さんなんでしょうけど、こういう人がやってたのかと思うと味わいもひとしおです。

失踪日記

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鴨川つばめもインタビュイーとして登場しますが、似顔絵ではなくツバメのキャラクターになっているのが味わい深い。

徹底してるなぁ。

消えたマンガ家―ダウナー系の巻 (新潮OH!文庫)

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あと、マカロニ・ウエスタンの第一人者として有名な二階堂卓也が、壁村時代の少年チャンピオン副編集長だったとは初めて知りました。

マカロニ・マエストロ列伝―暴力と残酷の映画に生きた映画職人たち (映画秘宝COLLECTION)

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ブラック・ジャック創作秘話』はこのほどテレビドラマ化もされるそうですが、カベさんや阿久津さんは誰が演じるのかなぁ。個人的には、カベさん役は松重豊とかいいなぁ。

孤独のグルメ Blu-ray BOX

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手塚治虫は例によってムチャクチャな言動。中国で出た海賊版鉄腕アトム』を見て、判型の違いのため勝手に絵が描き直されていることに激怒し「私が直します」と言い出すあたりは味わい深すぎて死にそうです。


後半は亡くなる直前の話で、ちょっぴり悲しい巻になっていますが、連載はまだ続いています。先月号では平山夢明先生まで登場しました。

手塚治虫デルモンテ平山にどういうつながりがあるのかは、次の巻にたぶん収録されるのでそれまで楽しみに。