激突! 帝拳vs亀田

まず結論から言いますけど、亀田興毅の試合翌日に山中慎介の試合を組むのは、帝拳ジムによる亀田ジムへのいやがらせだと思いますね。


http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/box/news/20130408-OHT1T00188.htm

【BOX】山中、最終ラウンドでツニャカオを沈めV3

 ◆報知新聞社後援 ワールドプレミアムボクシング トリプル世界タイトルマッチ ▽WBC世界バンタム級戦 ○山中慎介(TKO 12回1分57秒)マルコム・ツニャカオ●(8日、東京・両国国技館) 王者・山中慎介(30)=帝拳=が粘るマルコム・ツニャカオ(35)=真正、フィリピン=を最終ラウンドで沈めて3度目の防衛に成功した。

 山中は積極的に前に出てくるツニャカオを冷静にさばきながら右ジャブを中心に自らの射程圏内に誘い込み、3回には得意の左強打で2度のダウンを奪った。しかし、ツニャカオも序盤のピンチをしのぐとスピードを武器に手数を多く出し、ばん回をはかる。山中はプレッシャーを受けながらも要所で右ジャブ、相手のパンチに合わせたカウンターを的確に当て、ツニャカオは切れ味鋭い山中の左で右目の上を切って大流血。途中経過のポイントでは終始山中がリードしていたが、終盤、ツニャカオの動きが落ちてきたところで強打が爆発。最終ラウンドに左、右から強烈な左ストレートをたたき込んで3度目のダウンを奪いケリをつけた。

 ◆山中 慎介(やまなか・しんすけ)南京都高時代に00年国体の少年フェザー級で優勝。専大から06年1月にプロデビューし、10年6月に日本バンタム級王座奪取。11年11月の初の世界戦でWBC同級王座決定戦を制した。切れ味鋭い左ストレートが武器の左ボクサーファイター。戦績は20戦18勝(13KO)2分け。30歳。滋賀県出身。

第3ラウンドで山中は得意の左ストレートをカウンターで決め、2度のダウンを奪ってKO寸前まで追い詰めます。しかしツニャカオは不屈の闘志で挽回し、右のガゼルパンチを再三ヒットさせ、山中のマウスピースを弾き飛ばす場面もありました。しかし山中は巧みなスリッピングアウェイでダメージを最小限にとどめ、ツニャカオの右の目じりをカットさせて大流血に追い込み、ドクターストップ寸前になります。ポイントでもリードされたツニャカオは捨て身の攻勢に出ますが、それを真正面から受け止めた山中が、最終ラウンドに怒涛のラッシュを見せ、みごとなノックアウト勝利を収めました。


この試合は、帝拳と真正という関係の深いジムに所属するボクサー同士の試合で、事実上の同門対決ではあったのですが、白熱の名勝負となりました。
敗れたツニャカオも、すばらしい闘志を見せて、観客や視聴者に鮮烈な印象を残したことでしょう。


最終ラウンドまで一進一退の攻防を続けて、それでもポイントはしっかりリードしつつ、最後にはKOで決めるという、テレビ的にも文句のつけようのない、百点満点の試合でした。


やっぱりボクシングってのはね、強いボクサー同士が、全力で相手を倒そうとするから美しいんですよ。


大したことないボクサー相手に安全運転の試合をして、明らかに劣勢だったのを不正な判定で勝ちにしたって、そのボクサーの価値は下がるばっかりなんですよね。

疑惑のリング―亀田家の成功と失敗

疑惑のリング―亀田家の成功と失敗

今日の試合で、亀田ジムとTBSに圧倒的な力の差を見せつけることができて、帝拳の本田会長と浜田剛史代表、それに日テレはさぞ喜んでいることでしょう。


ただね、今日の試合は「深イイ話」枠内での放送で、トリプル世界戦のうち一試合だけ放送し、残りの時間は元世界王者タレント(輪島功一ガッツ石松具志堅用高渡嘉敷勝男竹原慎二井岡弘樹薬師寺保栄)の無駄話で埋めるというひどい構成でした。


アンダーカードのWBCフライ級タイトルマッチでは、井岡一翔との激闘で男を上げた八重樫東が、アマ時代に4戦して全敗している王者の五十嵐俊幸に、みごとリベンジを果たしてミニマム級との二階級制覇に成功。スーパーフェザー級三浦隆司も、同門の粟生隆寛からベルトを奪ったガマリエル・ディアスをKOして帝拳にベルトを奪還しています。
なぜ彼らを無視する!


試合終了後には、リング上でのインタビューで、前日に防衛戦が行われたWBA王座との統一戦にも意欲を見せていましたが、実現可能性のない話をされても困ります。
あと、山中の勝利を祝福するためにホルヘ・リナレスもリングに上がってきたのですが、実況アナウンサーがまったく無視していたのも悲しいです。