さよなら手塚先生

大連立ばやりの昨今ではありますが、さすがにこれは思いつかなかった。

http://www.asahi.com/culture/update/0227/TKY200802270343.html

マガジンとサンデー、共同で漫画発行へ 創刊50周年

週刊少年マガジン週刊少年サンデーが来年、同時に創刊50周年を迎えるのを記念し、両誌の出版元である講談社小学館が、共同して少年向け漫画雑誌を発行する。今年4月から月2回刊で半年間、計12冊刊行する。


内容は、マガジンで不定期連載している「金田一少年の事件簿」と、サンデーで連載中の「名探偵コナン」の過去の作品を再編集したもの。雑誌名は「コナン金田一 増刊」を予定している。

最近は、古い漫画が出版社を異動してペーパーバックのコンビニ本になってたり、中綴じの雑誌スタイルで再編集版が出てたりするのをよく見かけますが、この大同団結は予想外でした。しかもコナンと金田一少年をパッケージする、というのは意味があるとは思えないし。


マガジンとサンデーの合同雑誌を出すんだったら、載せる漫画は、手塚治虫の『W3』に決まってるだろ常識的に考えて…

W(ワンダースリー)3(1) (手塚治虫漫画全集)

W(ワンダースリー)3(1) (手塚治虫漫画全集)


1965年、少年マガジンは、創刊以来の念願であった手塚治虫の連載『W3(ワンダースリー)』を獲得しました。

しかし、同時期にマガジンは『宇宙少年ソラン』の連載を開始したのです。


この作品は、手塚が『W3』に出そうとしていたキャラクターを盗用した(そのため、内容の大幅な変更を余儀なくされた)、として嫌っていたものであり、「『ソラン』と一緒の雑誌には載せられない」と激怒した手塚によって、わずか6週で連載を打ち切られ、ちょっぴり設定を変えて、ライバル誌である少年サンデーに移籍して連載されたという、漫画史上に名高い「W3事件」を巻き起こしたのでした。


W3事件 - Wikipedia


この事件によって手塚治虫の連載を失った少年マガジンは、アンチ手塚を雑誌のカラーとして打ち出し、水木しげるさいとう・たかをら貸本出身の劇画作家を積極的に起用するようになり、また、アンチ手塚の最右翼である梶原一騎を看板作家として、『巨人の星』や『あしたのジョー』でメガヒットを飛ばし、一躍、時代の寵児となったのでした。


マガジンとサンデーが連立するんであれば、この作品を避けては通れないと思うなぁ。