長谷川穂積・完全復活への道

今日は大田区体育館で、山中慎介八重樫東の二大ボクシング世界戦&長谷川穂積の世界前哨戦が開催され、日本テレビで放送されました。


山中慎介の前回の防衛戦は、日テレの「深イイ話」番組内の1コーナーとしての放送という、およそ誠実とはいえない扱いだったのですが、今回は日テレボクシングのエースである長谷川穂積の試合もあるので、7時から2時間の、単独番組としての扱いです。


今回は、初の試みとしてツイッターと連動させ、視聴者がラウンドごとに山中と挑戦者のどちらが優勢だったかつぶやいて、それを集計して番組中で公開するという企画がありました。
そして、その結果ですが。


http://www.sponichi.co.jp/battle/news/2013/08/12/kiji/K20130812006406560.html

山中強すぎ 日テレの視聴者ツイッタージャッジ“企画不成立”

WBC世界バンタム級タイトルマッチ ○王者・山中慎介 1回KO 挑戦者ホセ・ニエベス● (8月12日 大田区総合体育館

 山中の防衛戦を放送する日本テレビは試合中に「視聴者Twitterジャッジ」を初めて実施する予定だったが、“まさか”の1回KO。視聴者がジャッジする前に試合が終わった。

 視聴者が各ラウンドで優勢だと思う選手をジャッジして、ハッシュタグ「#王者山中」「#挑戦者ニエベス」を付けてツイートすると投票企画に参加でき、投票経過は番組内で随時発表という企画だったが、山中の圧倒的な強さで“企画不成立”になってしまった。

1ラウンドの2分ごろ、山中の打ち下ろしの左がニエベスの顔面をかすめると、その衝撃に驚いたのかニエベスは完全に腰が引け、表情からも生気が失われます。そして山中の左ストレートがニエベスの右目付近にヒットすると、ニエベスは腰が抜けたように尻もちをついて、そのまま立てませんでした。パンチによるダメージというより、精神を攻撃されて戦意喪失したように見える、珍しいノックアウトです。
試合後のインタビューでも、ニエベス「どうしたらいいかわからない」と口走る始末。このままリングに戻ってこれないんじゃないか、と心配になるほどでした。
会場には、WBO王者の亀田三男も来ていて、山中は「亀田くん、ぜひ統一戦をやって日本を盛り上げましょう」とアピールしましたが、まぁこれが実現すると思うファンはいないでしょう。
現在、主要4団体のバンタム級王者は、WBAが亀田長男、WBOが亀田三男、WBCが山中、IBFがイギリスのジェイミー・マクドネル。3人が日本人という状況です。
ここで、マクドネルが山中に、4人の王者を集めた統一トーナメントの日本開催を打診しているという情報もありますが、まぁ実現の可能性はほぼないと言っていいでしょう。
山中は、余計なことは考えず、インチキな人たちには関わらないで我が道を行ってほしいものです。


八重樫東は、挑戦者のオスカル・ブランケットを迎え撃ちましたが、身長差のある組み合わせのためお互いにやりにくそう。何度も頭がぶつかり、八重樫のボディブローは低めに集まってローブロー気味になり、8ラウンドには八重樫に減点1が言い渡されます。ブランケットはコンディションが良くないようで、何度もよろけては八重樫のパンチが後頭部に当たるという、何ともスッキリしない試合展開。判定は文句なしで八重樫の勝ちでしたが、内容としてはそれほど褒められるものではありませんでした。

我、弱き者ゆえに 弱者による勝利のマネジメント術

我、弱き者ゆえに 弱者による勝利のマネジメント術

八重樫はガッツあふれる戦いをする人ですが、相手がピリっとしないと持ち味を発揮できないという欠点も露呈しましたね。



そして、試合順は前座だったものの、番組的にはメイン扱いとなった長谷川穂積。メキシコのローカル王者という格下が相手ではあるものの、バンタム級で王座防衛記録を伸ばしていたころの、本来の戦い方が戻ってきました。

意志道拓

意志道拓

長谷川がとくにノリにノっていた2008年〜2010年ごろ、彼は相手の攻撃を見切って最小限の動きでかわし、先に自分のパンチを当てて相手のパンチを流すという、攻防一体の超高等テクニックを見せておりました。
2010年に、11回目の防衛戦で強豪フェルナンド・モンティエルに敗北を喫して王座を陥落した後、減量苦のためフェザー級に転向するのですが、上の階級でもパワー負けしないところを見せたいという思いが強かったのか、真正面で足を止めて打ち合う展開を見せるようになります。
フェザー級でも王座を獲得し、2階級制覇はしましたが、初防衛戦で迎えたこれまた人気の高い強豪ジョニー・ゴンサレスとの試合でも、やはり真正面からの打ち合いに付き合ってしまい、ゴンサレスの狙い澄ました右フックを受けてノックアウトされたのでした。


このまま、無理な戦い方をしていてはジリ貧になると心配していましたが、今日の試合では、相手のパンチを見切りつつこちらのパンチでコントロールする、長谷川本来のテクニックを披露。
そして、壮絶なKO勝ちを見せました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130812-00000994-yom-spo

長谷川穂積「練習出せた」納得の1回TKO勝ち

 ダブル世界戦と同じ会場でWBCバンタム、フェザー級の元2階級王者、長谷川穂積(32)(真正)がノンタイトル10回戦(契約体重56・7キロ)に臨み、メキシコのヘナロ・カマルゴを1回TKOで退けた。

 長谷川は「内容よりもダメージなく終わらせることを目指していた。練習してきたことが出せた」と納得の表情。左フックでダウンを奪い、立ち上がったところに連打を浴びせ、試合を決めた。7月に右足を痛め、足を使ったボクシングができなかった分、「今回はショートパンチをたくさん練習した」と言う。陣営では年内にもスーパーバンタム級で世界挑戦をさせ、3階級制覇を目指す意向だ。

最初にダウンを奪った左の3連打も、フィニッシュのカウンターも抜群のキレとタイミング。テレビ解説の浜田剛史も、今日の長谷川を大絶賛。「あした世界戦をやっても大丈夫でしょう」と太鼓判を押すほどです。
WBCスーパーバンタム級には、長谷川がかつて敗北したフェルナンド・モンティエルを破ったビクトル・テラサスが王者として君臨しており、8月24日にはこれまた強豪のレオ・サンタ・クルスを迎えた初防衛戦の予定。どちらが勝っても、一流の相手であり、対戦のチャンスをつかむことも容易ではないですが、今の穂積なら誰とやっても勝てる! ノニト・ドネアにだって負けないと、オレは思いますね!