イタリア料理を食べに行こうの巻

ジョジョの奇妙な冒険 33 (ジャンプコミックス)

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まずはこちらのTogetterまとめをご覧いただきましょう。


http://togetter.com/li/426265

35歳の男に初デートでサイゼリアに連れて行かれたでござる

『おいしいイタリアン』って札幌→新さっぽろJR移動で連れていかれたお店がサイゼリアだったという、驚愕の35歳とのお話です。フリーズする私に「知らないかもしれないけど、東京ではメジャーな店なんだよ。向こうではよく行ってたんだ。」とドヤ顔で教えてくれたという・・・黒歴史でございます。

イタい男性と交際していた経験を、笑い話としてツイートしたこのまとめは、オトコを値踏みするオンナを蛇蝎のごとく憎んでいる男性諸氏によって徹底的に叩かれ、コメント欄は大炎上、ブクマもかなり批判的コメントが並んでいます。


http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/426265


このネタのキモは、わざわざ電車に乗って移動していった先がありふれたファミレスだった、というところにあるわけですが、「サイゼリヤなんてどこにでもあるだろう」と思ってツッコんだのなら、それは大きな間違いです。
三十路に突入したというまとめ主が20代のころですから、まぁざっくり4〜5年前のことと仮定しましょうか。実は当時サイゼリヤは北海道に本格進出しておらず、北海道ではくだんの新札幌駅ビル内の1店舗しか存在していなかったのです。
(ソースはこちらhttp://www.nikkei.com/article/DGXNASFC0600D_W2A600C1L41000/
今は札幌市内に6店舗を展開していますが、5店舗は今年になってからできたものです。もちろん、サイゼリヤが女性をデートに連れて行くのに適したお店かどうかは別問題ですが、少なくとも「ありふれた店」ではありませんでした。


実は、サイゼリヤが本格的に全国展開を始めたのはそんなに古い話ではありません。もともとは千葉県を中心に展開していたチェーンで、90年代半ばまではローカル店舗と見做されていました。山田うどんみたいなモンでしょうか。

幕張サボテンキャンパス(1) (竹書房漫画文庫 SC 1)

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1996年に連載が始まった、みずしな孝之の『幕張サボテンキャンパス』でも、東京から千葉の大学に進学した人物がサイゼリヤを全く知らず「何この店?」と驚くローカルギャグがあったものです。ジョージアマックスコーヒーと同じような扱いだったんですね。



今は安いファミレスの代表格と見做されているサイゼリヤも、北東北、山陰、山口県、四国、福岡県以外の九州にはまだ未出店です。あなたの地域の常識が、全国すべてに通用するとは限りません。日本はまだまだ広いと認識しましょう。


サイゼリヤの話はここまでとしましょう。


んで、先ほどのまとめがなぜ男性たちから叩かれるのか、ツッコミどころを解説したまとめも作られています。


http://togetter.com/li/426590

35歳の男性にデートでサイゼリアに連れて行かれた女性のtogetterまとめが何故炎上したか

どこが叩かれているのか、釣り針(炎上ポイント)を一つ一つ解説してみました。

要点としては「ガールズトークを男の目に触れる場所でやってはいけない」というところになるでしょう。
女性の集まる場では、交際した男性(元カレから現夫まで含む)の悪口は盛り上がるための鉄板ネタですが、男が集まって女性の悪口を言い合ってたら陰惨で暗くなるんですよね。「ガールズトーク」といったらたいてい元カレの悪口や男性の品定めですが、「ボーイズトーク」というとたいていモビルスーツの品定めになります。非対称なんです。

ガンダムの常識―一年戦争モビルスーツ大全

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こういう違いがどこから来るのか、以前からぼくは疑問に思っていたのですが、赤木智弘がこんなコメントをつけていて、腑に落ちるものがありました。


そうか、女性にとっては「馬鹿な男と付き合ってた私」って「自虐ネタ」の範疇なのか。男性にとっては「自分単体がどれだけダメか」を自虐ネタと呼ぶので、「馬鹿な男と付き合ってた私」って、モテ自慢の類だと思っていたわ。

ミソジニーに凝り固まっているこの人物は、女性の自虐ネタをモテ自慢と思って憎んでいたんですね。で、この人は気付いていなかったようですが、社会では、女性の価値がパートナーの男性に大きく左右される傾向が見られます。この価値観が女性の間にもあるので、自分のステータスを下げた男性の話が自虐ネタとして共有されるのでしょう。


そもそも、女性が強くなった、主体的になったといわれる現代でも、女性に貞操を求める向きは少なくありません。多くの男性と交際した女性のことを、「主体性がある」と高く評価する人は少数です。たいていは「貞操観念が低い」と否定的な人物評価を受けることになります。相手が優れた男性であっても、交際すればするほど女性のステータスは低くなっていくと見做す価値観が、まだ残っているんですね。そんな価値観が日本で形成されたのはそんなに古い話じゃないんですけど。


んで、男性の場合は多くの女性と交際することがステータスになります。不美人だったり人格に難があったりなど、ステータスが低いとされる女性でも、交際すれば「1人の女をモノにした」ことに変わりはありません。稼げるポイントの多寡はあっても、決してマイナスにはならないのが男の恋愛ステータスです。


だから男はね、女の悪口なんか言っちゃいけないんですよ。こっちは一方的にもらってる立場なんだから。悪口を言われたり、値踏みされたりするのは仕方ないと受け容れましょう。


……なに? オデは女から何かもらった覚えなんてない? 何ももらえないのに悪口だけ言われるのはイヤだ?


……ええい、男なんだろ、グズグズすんなよ!

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