復興の書店
大宅壮一ノンフィクション賞作家、稲泉連さんの『復興の書店』が発売されています。
- 作者: 稲泉連
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/08/06
- メディア: 単行本
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津波によって被害を受けた地域の人々が、食料や飲料水、衣類などを求めるのと同じレベルで本を求めていたことがよくわかります。避難所にいる人たちに読ませるために
雑誌やコミックを何冊も買う人が多く、ある書店では「少年ジャンプ」を通常の4倍も仕入れていたそうです。また、流失した本を取り戻そうとするためか、一昔前のベストセラーが人気になり、『ワンピース』より『ドラゴンボール』のほうがよく売れた書店もありました。
- 作者: 尾田栄一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: コミック
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DRAGON BALL 完全版 34 (ジャンプコミックス)
- 作者: 鳥山明
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/04/02
- メディア: コミック
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他によく売れたのが、手紙の書き方の本や、住宅関係の法律の本、編み物の本など。被災者がどんな情報を必要としていたか、よくわかりますね。
いっぽう、原発に近い福島県浜通りの書店では、女性や子どもが地域外に避難したため、女性誌や少女漫画誌の売り上げが激減したとのこと。
一口に被災地といっても土地によって受けた影響はさまざまで、復興への道はひとかたならないことがよくわかります。
店舗を失った書店の人々が、プレハブの仮設店舗で営業を再開したり、青空移動書店を開いたりといった動きや、被災によって職場を失い、書店のなくなった地域で新たに開業した人の例も紹介されています。書店という一つの業種をとって見ただけでも、様々な人生模様が見てとれますね。
震災直後には、千葉県でコンビナート火災が発生し、そのため有害物質の雨が降るというデマが飛び交いました。
- 作者: 荻上チキ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/05/17
- メディア: 新書
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ほかにも、津波の被害は直接受けなかったものの、物流の寸断によって本が届かなくなった仙台市内の書店が、再開したときの様子なども書かれています。どうぞよろしく。