時の過ぎ行くままに

今日はやっぱり、ロンドンオリンピック男子柔道66kg級準々決勝の話をしないわけにはいかんですよ。


http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2012/news/martialarts/judo/1/20120729-OYT1T00797.htm

一度は韓国選手に旗、審判委員異議で海老沼勝利

 【ロンドン=大野展誠】29日に行われた柔道男子66キロ級の海老沼匡選手(パーク24)の準々決勝で判定を巡る混乱が起きた。

 試合は延長戦でも決着がつかずに旗判定となった。一度は3審判全員が青旗を上げて韓国選手の勝ちとしたが、数分後、審判委員席から異議が出てやり直しとなり、白旗3本となって海老沼選手の勝ちに変わった。旗判定のやり直しは、国際大会では極めて異例。

 試合は、あとで取り消されたが、海老沼選手が一度は「有効」の判定を受けるなど、試合を優勢に進めていた。韓国選手への勝利判定には日本のコーチ陣や場内の観客からも大ブーイングが起き、審判委員から異議が出て、旗判定がやり直しとなり、海老沼選手に旗3本が上がった。

今回のロンドンオリンピックでは柔道にジュリー制度(センターテーブルの審判委員が主審・副審の判定をチェックする。「ジュリー」は「陪審員」の意)が導入されたため、判定を訂正する事例が頻発しておりました。そこへ来て、この茶番劇(あえてそう呼ぶ)。

  • チョが反則の脇固めを出すものの、なぜか無視
  • ゴールデンスコア方式の延長で海老沼の小内刈りが決まり、主審が「有効」を宣するものの、ジュリーにより取消
  • 旗判定となり、大方が海老沼優勢と見る中、なぜか判定はチョに旗3本
  • 場内が大ブーイングに包まれる中、審判が協議を行い再判定
  • 判定が覆り、海老沼に旗3本が上がる


いったん下した判定が根拠も示さずに180度覆るなんて、競技の根幹を揺るがす大不祥事ですよ。日韓両国に禍根を残すことは間違いありません。次のオリンピックで柔道が競技から外されてもおかしくないレベルです。IJFにはジュリー制度を活用する能力がない、そう見られても仕方ないですね。それにしても、なんでよりによって日本人と韓国人の試合でこんなことになるかなぁ。


案の定、嫌韓の子たちはさっそく韓国による買収と決めつけて騒いでいますが(まぁ正直いってその疑いはあるにせよ)、見当はずれなことを言っている人もいます。


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茂木センセイ! 柔道着がはだけても、試合中は勝手に直しちゃだめなの!
あと、左手を押さえて中に入れさせないのは「組手争い」という攻防の一部なの!


柔道のことって、知られてないんだなぁ。


海老沼は準決勝で一本負けを喫しましたが、三位決定戦では鮮やかな一本勝ちを決めて銅メダルを獲得いたしました。試合中も「判定が覆されるのでは」とヒヤヒヤし通しです。


今回のオリンピックでは、まだまだジュリーの機嫌をうかがわなければいけないでしょうね。

いくつかの場面

いくつかの場面